奈紗 残念 猛追もメジャー制覇「あと一歩」POで涙

[ 2018年7月3日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子プロ選手権最終日 ( 2018年7月1日    イリノイ州 ケンパーレークスGC(6741ヤード、パー72) )

通算10アンダーでホールアウトし、ギャラリーの声援に応える畑岡奈紗
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 猛追及ばず快挙を逃した。首位から9打差の23位から出た畑岡奈紗(19=森ビル)は2イーグル、5バーディー、1ボギーの64をマーク。通算10アンダーの278で首位に並んだが、韓国勢のパクソンヒョン(24)ユソヨン(28)とのプレーオフでは1ホール目で脱落。1977年大会優勝の樋口久子以来、日本女子2人目のメジャー優勝を逃し、2位に終わった。パクソンヒョンがメジャー2勝目を挙げた。

 プレーオフ1ホール目。グリーン奥のエッジ付近からのバーディーパットがピンの右横を外れた瞬間、畑岡のメジャー制覇の夢はついえた。ゴーグルを外して少しだけ顔をしかめると「思い切ってやったがメジャーに勝つまであと一歩だと思う」。それでも「2つイーグル取れて、自分らしいプレーができた。悔いはないです」と前を向いた。

 「自分でもびっくりする内容だった」。最終組より1時間半ほど早くに回り、終えた時点では優勝を考えなかったという。最終ラウンドでの大会史上最少スコア64で驚異の追い上げを見せた。連日の猛暑に加え、突風も吹く難しい条件で、持ち前のショットに加えて22パットとグリーン上でもさえた。

 3番で3メートルを沈めてバーディーラッシュがスタート。7番パー5はバンカーショットを「イメージ通り」にねじこみ、2オンした11番パー5でも3メートルのスライスラインを決め、ともにイーグル。バンカーから1・5メートルに寄せた10番は短いパットを外しボギーとしたが、17番でもバンカーから見事なリカバリーでパーをセーブした。バンカーに捕まったホールでスコアを落とさない確率は今季米ツアー4位の61・29%と高いレベルにある。

 先週のアーカンソー選手権で米ツアー初制覇、その勢いで今週も最終日のビッグスコアで成長の証を示した。賞金ランキングも約93万3000ドル(約1億360万円)で2位に浮上。キャディーのドリュー氏は「今年だけでもショットの種類が格段に増えている」と語る。昨季、年間最優秀選手を同時受賞した韓国の実力者2人と優勝争いを演じた19歳に、「快挙」の瞬間が近づいている。

 ▼60位上原彩子 4日間で一番、風が強かった。自分のプレーができていないので、早く感覚を取り戻したい。この風の中で奈紗ちゃんは8アンダー。凄いと思う。(2バーディー、2ボギー)

 <日本女子では樋口だけ> 日本女子のメジャー制覇は、77年全米女子プロ選手権を制した樋口久子の1度だけ。岡本綾子は米国で賞金女王に輝いた87年、全米女子オープンでプレーオフに敗れて2位。91年の全米女子プロでは最終盤までトップを争ったが、1打差で涙した。再三、優勝争いを演じたものの2位6度と悲願は果たせなかった。宮里藍は06年全米女子プロの3位が最高。宮里美香は12年全米女子プロで2打差の2位と奮闘した。

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