稀勢の里 連合稽古で10番取って全勝も…完全復活まではまだ稽古が必要か

[ 2018年6月30日 16:08 ]

新入幕の琴恵光(手前)と稽古する稀勢の里出稽古に来た鶴竜(右)は松鳳山を攻める
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 大相撲の二所ノ関一門連合稽古が30日、名古屋市天白区の二所ノ関部屋で行われ、左大胸筋の負傷などで7場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)は新入幕の琴恵光(26=佐渡ケ嶽部屋)を稽古相手に指名し、10番取って全勝だった。

 29日の連合稽古では、平幕・竜電を相手になかなか右上手を取れず5勝4敗と苦戦した。この日は得意の左四つに持ち込む相撲がほとんどで、琴恵光に右を差されて出られても、約40キロ上回る体格差を利して振り払った。

 それでも稽古後は多くを語らなかった。「左四つの形を確かめたのか」と問われると「うん、まあ」と答えた程度。午後からの熱田神宮奉納土俵入りを終えた後は、報道陣を避けるようにして車に乗り込んだ。稽古相手を務めた琴恵光は「自分の形にならせてもらえなかった。その辺の差を感じた。圧力が全然違った」と振り返った。

 名古屋場所に出場したとしても、琴恵光と対戦することはない。玉鷲、松鳳山の両小結ら対戦する可能性が高い相手との稽古は避けた形だ。解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「この時期に琴恵光をつかまえて稽古するということは、場所(の出場)を見送るんじゃないですかね。自信を取り戻すために琴恵光を指名したのでは」と厳しい見方だった。先場所前の稽古と比べても「変わらないでしょうね。(左は)力が入らないんじゃないか」と捉えており「次の秋場所のために、着々とやっているという感じ」と話した。

 芝田山親方(元横綱・大乃国)は「元気そうは元気そう」と言いながらも「焦らず、じっくり、自分で検証しながらやっているのでしょう。じっくり腰を据えて、地に足を付けてやってくれればいい。徐々に慣らしていくしかない」と、完全復活まではまだまだ稽古が必要と見ていた。

 名古屋場所(7月8日初日、エディオンアリーナ大阪)まで10日を切っているが、横綱の圧倒的な強さは見られていない。師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は「もうちょっと相撲を取らないと」と歯切れが悪かった。

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2018年6月30日のニュース