山県5年ぶり最速王座奪回!大会タイ10秒05 ア大会代表に

[ 2018年6月24日 05:30 ]

陸上日本選手権第2日 ( 2018年6月23日    山口・維新みらいふスタジアム )

陸上日本選手権・男子100メートル決勝で10秒05をマークし優勝した山県。中央は2位のケンブリッジ、右手前は3位の桐生
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 平成最後の短距離王者だ!今夏のアジア大会選考会を兼ねて行われ、男子100メートル決勝は山県亮太(26=セイコー)が追い風0・6メートルの条件下、大会タイ記録となる10秒05で5年ぶり2度目の優勝。山県は“短距離ビッグ4”によるハイレベルな戦いを制し、アジア大会の代表に決まった。10秒14で2位のケンブリッジ飛鳥(25=ナイキ)も代表を確実にした。3位には10秒16で桐生祥秀(22=日本生命)が入った。

 日本人に今季先着を許していない力は本物だった。山県はスタートで飛び出し、加速も抜群。中盤で桐生を引き離し、ケンブリッジの追い上げも許さなかった。2位に0秒09差をつけ10秒05の大会タイ記録。6位だった昨年の雪辱を果たし、冷静沈着な男が珍しくガッツポーズを決めた。

 「今季は日本人に負けてこなかったから自信があった半面、重圧もあった。勝ちたいところで勝つ難しさを今年は味わった」

 22日の準決勝は10秒19にとどまり、レース後に原因を探った。コーチを持たない山県が頼るのは、撮りためた7000本もの映像だ。練習から試合まで、いつでも検索してデータを引っ張り出せる。導き出したのは、「集中」というキーワード。序盤から中盤にかけて体が起き上がる時の目線の位置に気を付け、「自分のレーンに集中できた」と自画自賛の結果につなげた。

 来年5月1日に新元号に変わる。5年ぶり2度目の制覇で、「平成最後のチャンピオン」の称号を手にするとともに、8月のアジア大会代表も決めた。

 記録が低調だった4月末から筋トレ日を1日増やし、週3日にした。シーズン中としては初の試み。走る時間を削ってまで筋力アップにこだわった。22日に中国の蘇炳添が9秒91をマーク。ライバルは強力だ。だが、26歳のスプリンターは国内最強の次は「アジア一を目指す」と高らかに宣言した。

 ▼アジア大会男子100メートルの選考基準 日本陸連が設けた選考基準(10秒12)を今季クリアした選手が、日本選手権で優勝すれば自動的に代表となり、3位以内で有力となる。

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