渡利、悪性リンパ腫乗り越え優勝「メダル獲りたいという一心」

[ 2018年6月17日 05:30 ]

レスリング 全日本選抜選手権 ( 2018年6月16日    東京・駒沢体育館 )

女子68キロ級で優勝し、喜ぶ渡利
Photo By 共同

 世界選手権(10月、ブダペスト)代表選考会を兼ねて男女計8階級が行われ、女子68キロ級は悪性リンパ腫による闘病からの復帰戦となった2016年リオデジャネイロ五輪75キロ級代表の渡利璃穏(アイシンAW)が優勝した。昨年の全日本選手権女王の土性沙羅(東新住建)が左肩を手術してプレーオフを欠場するため、代表入りが決まった。男子グレコローマンスタイル55キロ級は田野倉翔太(東京・自由ケ丘学園高教)、67キロ級は下山田培(警視庁)、77キロ級は屋比久翔平、女子57キロ級は坂上嘉津季(ともにALSOK)が全日本選手権に続いて制し、日本協会の選考基準を満たして代表入りを果たした。

 優勝を決めた渡利は「どんなに調子が悪くても自分の力を試したかった」と涙ぐんだ。「絶対に勝ってやるという強い思いで臨んだ」。16年リオ五輪以来1年10カ月ぶりの実戦でなりふり構わぬ攻めが最後に実った。五輪後に悪性リンパ腫が判明し、抗がん剤や放射線による治療を受けた。スパーリングは1月。支えてきたのは五輪への思いだ。リオの女子6階級で日本がメダルを逃したのは渡利の75キロ級だけだった。「メダルを獲りたいという一心で、ここまでやってきた」。世界選手権は雪辱への第一歩となる。

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2018年6月17日のニュース