ロシア出身・阿夢露が断髪式 これからは「ニコちゃん」って呼んで

[ 2018年6月16日 20:11 ]

断髪式を終えた阿夢露(後列右から5人目)は阿武松親方(同4人目)らと笑顔を見せる
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 元幕内・阿夢露(あむうる、34=阿武松部屋)の断髪式が16日、千葉県千葉市のホテルで行われた。阿武松親方(56=元関脇・益荒雄)ら約160人がはさみを入れて16年間の力士生活をねぎらった。

 「これからは本名のニコライ・ユーリビッチ・イワノフ、“ニコちゃん”と呼んであげてください」と冒頭で紹介されると、阿夢露は笑顔で一礼。断髪式の間は「泣くのを我慢していた」が、自らの生い立ちを歌詞に乗せた大至(49=元前頭)の相撲甚句を聞くと目を潤ませた。

 ロシア出身の阿夢露は新十両で迎えた12年初場所で右膝十字靱帯損傷の重傷を負い、翌場所から5場所連続休場。一時は引退も考えたが復活し、14年九州場所で新入幕を果たした。初土俵から所要74場所での新入幕は外国人力士では最も遅い記録。細身ゆえに、食べて体を大きくすることにも苦労した。

 阿武松親方は「最初に来たときは(体が細くて)モデルさんかなと思った。当時、ロシア出身の力士はいろいろなことがあったが、阿夢露は本当に真面目で一生懸命だった」と愛弟子との出会いを振り返った。「器用な方じゃない。相撲も左上手、左前みつしか武器はない。それを磨いて磨いて、幕内までいきました」と続け、声を詰まらせた。

 阿夢露は負傷を乗り越えた経験をもとに、今後はトレーニングをサポートするトレーナーを目指す。資格を取得するために日本語学校にも通い、今でも週に3回トレーニングをこなしているという。「けがが多くていろんな人に支えてもらった」。恩返しを胸に、“ニコちゃん”は第二の人生を歩んでいく。

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2018年6月16日のニュース