美誠 中国勢連破で初頂点、大逆転&天敵討ち 驚異の集中力

[ 2018年6月11日 05:30 ]

卓球 荻村杯ジャパン・オープン最終日 ( 2018年6月10日    福岡・北九州市立総合体育館 )

荻村杯ジャパン・オープン最終日 女子シングルス決勝、優勝しガッツポーズする伊藤(撮影・会津 智海)
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 女子シングルスは世界ランク6位の伊藤美誠(17=スターツ)が初優勝を飾った。準決勝で同10位の陳幸同、決勝で同3位・王曼イクと中国勢を連破。価値あるタイトルに「優勝できて、物凄くうれしい!」と充実の笑みを浮かべた。

 準決勝は3ゲーム連取され第4ゲームも4―9と絶体絶命の大ピンチに陥ったが、ここから伊藤が無心で盛り返した。「何も考えていなかった。4―9でしたっけ?」。スコアを忘れるほど集中し、怒とうの7連続得点でこのゲームを奪取。流れをつかむと一気に押し切った。

 奇跡の大逆転の後は天敵狩りだ。王曼イクには過去6戦全敗で、2週前の香港オープンは3―4、先週の中国オープンも1―4で敗れていた。3週連続の激突で、「凄く勝ちたい思いがあった」と気合十分。第6ゲームは8―10の劣勢から4連続得点で勝利を決めると、ぴょんぴょん跳びはねて喜んだ。

 19歳と同年代の王曼イクは中国の未来を担う逸材。「東京五輪の決勝で対戦できることを願って頑張りたい」と話した伊藤は、王曼イクに「五輪の決勝が伊藤選手かどうかは、伊藤選手の頑張り次第」と上から目線で言われ苦笑い。まだ対等には遠い。まずは並び、そして中国超えへ。「いつでも、どんな時も、誰に対しても勝てるようにしたい」。無限の向上心が、さらなる進化を後押しする。

 【張本と伊藤のツアーV】

 ☆張本智和のワールドツアーのシングルス優勝 史上最年少の14歳61日で制した17年チェコ・オープンに続いて2勝目。

 ☆伊藤美誠のワールドツアーのシングルス優勝 15年ドイツ・オープン、ベラルーシ・オープン、16年オーストリア・オープン、17年チェコ・オープンに続いて5勝目。

 ☆荻村杯の日本人優勝 男子シングルスは11年の岸川聖也、12年の水谷隼、13年の塩野真人に続く4人目。女子シングルスは13年の福原愛に次いで2人目。男女Vは13年以来、5年ぶりとなった。

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