小滝水音 日本人初のプロデビュー戦制覇なるか 2差で2位!

[ 2018年6月9日 05:30 ]

宮里藍サントリー・レディース第2日 ( 2018年6月8日    兵庫県 六甲国際GC(6525ヤード、パー72) )

10番ティーショットを放つ小滝(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に3打差の8位から出た“黄金世代”小滝水音(みお、19=静ヒルズCC)が66の好スコアをマークし、首位に2打差の通算11アンダー、2位と大躍進した。昨年プロテストに合格した若手が日本人初のプロデビュー戦制覇の快挙へ本人もびっくりの快進撃を続けている。プロ3年目の森田遥(21=フリー)が通算13アンダーで首位。アマチュアの安田祐香(17=兵庫・滝川二高3年)が首位に4打差の5位につけた。

 人生初の出来事が小滝に立て続けに起きている。ツアー競技初の予選突破、アマチュア時代にもなかった2日連続の60台、しかも、いまだボギーはなし。3メートルのバーディーパットを沈めた6番では並み居る強豪を抑えて初めて首位に立つという経験まで味わった。

 森田のチャージにより小滝の“天下”は4時間半ほどで幕を閉じたが、自分の名前が最上位に掲示されたリーダーボードの画像は携帯電話に保存。「あんまりプレッシャーはないです。逆に自信になりました」。キャディーの父・賢太郎さん(43)とともにマンデー予選会のどん尻で手にした夢の舞台を無邪気に楽しんでいる。

 宮里藍さんの引退試合となった昨年のこの大会で号泣した勝のように黄金世代の精鋭たちは大会名にその名を冠する偉大な先輩と何らかの関わりを持ちながら成長してきた。

 しかし、小滝は少々異色。今大会まで宮里藍さんとは会話を交わすどころか会ったこともなかった。目標とする女子ゴルファーも6年連続で賞金女王に輝くなどかつて日本ゴルフ界に君臨した不動裕理。他の黄金世代とは別路線を歩んできた。

 茨城県出身で米ツアーで活躍する畑岡奈紗(19=森ビル)とは同郷。小学生の頃から地域の陸上大会などで顔を合わせたが、常に大差負けを喫した。中嶋常幸が主宰するアカデミーでも畑岡と同期だが、4年も早く始めたゴルフもアッという間に追い抜かれたという。1Wよりもさらにスタンスを広げる特徴的なスタイルのパッティングが最大の武器。中嶋からは「個性だからスタイルは変えるな」とお墨付きをもらっている。残り2日間。遅れてきた黄金世代が日本人初の快挙に挑む。

 <日本女子ツアー最短優勝記録> 日本女子プロゴルフ協会の会員、もしくはツアープロ登録した選手の日本女子ツアー最短優勝記録は、デビュー戦に勝ったアン・ソンジュ(10年3月、ダイキン・オーキッド・レディース)の1試合目。フォン・シャンシャンが2試合目(11年8月、meijiカップ)で続く。日本人に限れば宮里藍(04年3月、ダイキン・オーキッド・レディース)らの4試合目が最短で、小滝がデビュー戦で勝てば日本人初の快挙となる。

 ◆小滝 水音(こたき・みお)1998年(平10)7月7日生まれ、茨城県ひたちなか市出身の19歳。父の勧めで7歳からゴルフを始め、中嶋常幸主宰のトミーアカデミーで研さん。明秀学園日立高2年時に日本ジュニア11位。日本女子オープンは過去2度出場も予選落ち。17年のプロテストに一発合格した。家族は両親と弟。1メートル67、65キロ。好きなクラブはパター。血液型O。

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