キャバリアーズが4年連続で東地区を制覇 ジェームズ獅子奮迅のフル出場で奇跡のファイナル進出

[ 2018年5月28日 13:03 ]

ロジアーのダンクをブロックして雄叫びをあげるジェームズ(AP)
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 NBA東地区決勝の最終第7戦が27日(日本時間28日)にボストンで行われ、4位のキャバリアーズが87―79(前半39―43)で2位で地元のセルティクスを退けて4勝3敗。4年連続通算5回目のファイナル進出を決めた。

 レブロン・ジェームズ(33)は全48分にフル出場し、フィールドゴール(FG)を24本中12本、3点シュートを8本中3本、フリースロー(FT)を11本中8本成功させて35得点。先発フォワードのケビン・ラブ(29)が第6戦で被った脳震とうの影響で欠場となったが、15リバウンドと9アシストも稼いでチームを引っ張った。

 ヒート時代を含めると自身8年連続のファイナル出場(過去7回で優勝は3回)で、プレーオフの最終第7戦に限ると6連勝(6勝2敗)という堂々たる内容。シリーズを通して最もロースコアの展開となり最後まで息詰まる接戦となったが、12得点を稼いだ第4Qにはセルティクスのテリー・ロジアー(24)のダンクをブロックするなど、またしても土壇場で底力を発揮した。

 「多くのことを考えた長いシーズンだったが、流れが悪かった時期にうまくスイッチを入れることができた。セルティクスは全員で自分を抑えにかかっていたから、すべてのポゼッションがチャレンジだった」と試合後は額に汗をにじませながら感無量の面持ち。連敗発進からのシリーズ逆転にインタビューでの声量もひときわ大きなものになった。

 セルティクスは今プレーオフのホームで10戦全勝で、2勝0敗でスタートしたプレーオフは過去37シリーズ全制覇。0勝2敗はNBA全体で過去299回あったが、シリーズを逆転したのはわずかに19回(V率6・4%)。最終戦でのロードチームの勝率は20%(過去130回中26勝)と、あらゆるデータがキャバリアーズの“絶対不利”を示していたが、レギュラーシーズン全82試合に出場し、プレーオフもここまで全18試合にわたってチームを引っ張ってきた“キング”は、セルティクスのファンを完全に沈黙させてコートに仁王立ちしていた。

 キャバリアーズは前半で苦戦。ジェームズ以外の選手のシュートがまったく入らず、ジェームズの成績を除くと、放った13本の3点シュートのうち1本しか決めることができなかった。しかし後半に入って全員のスイッチがオン。出場8人中5人が30代の選手だったが、シュートの精度を欠きながらもハードなディフェンスでセルティクスのオフェンスを随所で寸断。チーム一丸となった戦い方を見せて東地区の優勝トロフィーを手中に収めた。

 セルティクスはカイリー・アービング(26)とゴードン・ヘイワード(28)の新戦力がともに故障でプレーオフにいないという状況の中でここまで大健闘。この日はドラフト全体3番目に指名されたジェイソン・テータム(20)がチーム最多の24得点をたたき出し、ベテランのアル・ホーフォード(31)も17得点を記録したが、74―77で迎えた第4Qの残り2分から連続8失点。ジェームズが支配する時間帯の中で、ついに力尽きた。チームの3点シュートは39本放って成功は7本のみ。第6戦で10本中6本を決めて28得点を記録したロジアーは最終戦では10本すべてを失敗し、ジェームズとの経験の差をまざまざと見せつけられる結果となった。

 試合終了後、ジェームズはテータム、ブラウン、ロジアーらと抱擁をかわして健闘を称えたが、その姿は若手を依然として寄せ付けない力の差を見せつけたような印象。大一番でフル出場し、あらゆる不利な状況を打破したキャバリアーズの背番号23は、プライドを胸に秘めて自身通算9回目のファイナルへと歩を進めた。

 <チーム記録>

 ▼FG成功率=セルティクス(34・1%)、キャバリアーズ(45・5%)

 ▼3点シュート成功率=セルティクス(17・9%)、キャバリアーズ(25・7%)

 ▼FT成功率=セルティクス(73・7%)、キャバリアーズ(72・0%)

 ▼リバウンド=セルティクス(42)、キャバリアーズ(41)

 ▼アシスト=セルティクス(18)、キャバリアーズ(15)

 ▼ターンオーバー=セルティクス(6)、キャバリアーズ(13)

 ▼速攻ポイント=セルティクス(3)、キャバリアーズ(16)

 ▼ペイント内ポイント=セルティクス(32)、キャバリアーズ(38)

 ▼ベンチスコア=セルティクス(18)、キャバリアーズ(5)

 <個人記録>

 ▼チーム最多得点=テータム(セルティクス=24)、ジェームズ(キャバリアーズ=35)

 ▼チーム最多リバウンド=モリス(セルティクス=12)、ジェームズ(キャバリアーズ=15)

 ▼チーム最多アシスト=スマート(セルティクス=7)、ジェームズ(キャバリアーズ=9)

 <東地区決勝成績>

 ▼第1戦(13日=ボストン)〇セルティクス108―83キャバリアーズ●

 ▼第2戦(15日=ボストン)〇セルティクス107―94キャバリアーズ●

 ▼第3戦(19日=クリーブランド)〇キャバリアーズ116―86セルティクス●

 ▼第4戦(21日=クリーブランド)〇キャバリアーズ111―102セルティクス●

 ▼第5戦(23日=ボストン)セルティクス96―83キャバリアーズ●

 ▼第6戦(25日=クリーブランド)〇キャバリアーズ109―99セルティクス●

 ▼第7戦(27日=ボストン)○キャバリアーズ87―79セルティクス●

 *日付は米国時間

 <キャバリアーズのファイナル>

 ▼2007年(対スパーズ)=●0勝4敗

 ▼2015年(対ウォリアーズ)=●2勝4敗

 ▼2016年(対ウォリアーズ)=〇4勝3敗

 ▼2017年(対ウォリアーズ)=●1勝4敗

 ▼2018年(対ウィリアーズ対ロケッツの勝者)=?

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