鶴竜「何が何でも」で自身初の連覇、両親サプライズ来日に笑顔

[ 2018年5月28日 05:30 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2018年5月27日    両国国技館 )

大相撲夏場所千秋楽 白鵬(右)を寄り切り優勝を決めた鶴竜(撮影・三島 英忠)
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 横綱・鶴竜が自身初の連覇を成し遂げた。昨年名古屋場所以来、5場所ぶりの横綱同士の対戦で、白鵬を外四つから寄り切り。14勝1敗で2場所連続5度目の優勝を飾った。モンゴルからは両親がサプライズで来日。妻と2人の子供とともに喜びを分かち合った。13勝とした関脇・栃ノ心は大関昇進が事実上決定。臨時理事会が開かれる30日に、ジョージア出身初、欧州3人目の新大関が誕生する。

 優勝40回を誇る大横綱を倒し、春場所に続き賜杯を抱いた。「自分の相撲を取りきろうと思った。絶対に頭を上げないようにした。何が何でもという気持ちだった」。頭をつけて両前まわしを引いた鶴竜は、一度は白鵬に寄りをこらえられたが、最後は渾身(こんしん)の力で両上手を引きつけ、優勝を決めた。

 連覇を果たし、横綱昇進後くすぶり続けていた思いを振り払った。平成となった89年以降、旭富士から日馬富士までの8人の横綱は、大関での2場所連続優勝で昇進した。一方、鶴竜は14年初場所の優勝同点(14勝1敗)、翌春場所の初優勝(14勝1敗)での昇進。「自分は準優勝と優勝。ラッキーで上がったと思われたくないというのがあった」。横綱5年目に突入した在位25場所目。目標を現実とし「自分にとって大きな意味がある。それができてよかった」と頬を緩めた。

 支度部屋ではサプライズが待っていた。長女アニルランちゃんは29日に3歳の誕生日を迎える。モンゴルでは女の子が3歳になると丸刈りにする習わしがあり、それに合わせて鶴竜とムンフザヤ夫人の両親が来日していた。「まさか来ていると思わなかった。奥さんがやってくれたのでしょう」。表彰式後の記念撮影では、夫人と2人の子供とともに家族の笑顔が並んだ。

 昨年は右足首の負傷などで、4場所連続を含めて6場所中5場所で休場した。「生まれ変わって進化したい。鶴竜はまだ、こういう相撲が取れるというのを見せたいという気持ちでやってきた」。今年は3場所連続皆勤。うまいだけではなく、強い鶴竜になった。名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)は、15日制(49年夏場所以降)で7人しか達成していない3連覇を狙っていく。

 ▼八角理事長(元横綱・北勝海)今場所の鶴竜は肩に力が入っておらず、勝とう、勝とうとしていなかった。自分の相撲を取れれば勝てると改めて感じただろう。精神的にも強くなった。

 ▼井筒親方(元関脇・逆鉾)自分の呼吸で立てるようになって、非常に良くなった。苦しい経験をして何かをつかんだんでしょう。土俵での顔つき、体つきが今までで一番いい。

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