被害QBの父 被害届は取り下げない苦渋の決断も、加害選手の嘆願書集めへ「そうせざるを得ない」

[ 2018年5月26日 17:04 ]

<関学大アメフット会見>加害選手の嘆願書を手にする奥野康俊さん (撮影・奥 調)
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 6日に行われた学生アメリカンフットボールの試合で日本大のディフェンスライン(DL)宮川泰介選手(20)が無防備な関西学院大のクオーターバック(QB)に後方から悪質な反則タックルをして負傷させた件に関して関学大は26日、兵庫県西宮市内で3度目の記者会見を行い、「多くの矛盾があり、到底真実とは認定できない」と日大の再回答に反論。十分な信頼関係を取り戻せるまでは日大との定期戦を中止すると発表した。

 会見は関学大アメリカンフットボール部の鳥内秀晃監督(59)、小野宏ディレクター(57)による会見が1時間半行われた後で、負傷したQBの父親で大阪府警に被害届を提出した奥野康俊氏(52=大阪市議)が会見。真相究明のため被害届は取り下げない苦渋の決断をする一方で、「宮川選手に寛大な処分を求める嘆願書を集める」と被害者側が加害者側の嘆願書集めをするという異例の対応を発表した。

 奥野氏は被害届を取り下げる準備をしていたものの、22日の宮川選手の会見、23日の日大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)前コーチ(30)による会見、日大からの再回答を勘案した結果「今後告訴に向かうかどうか息子や家族、アメリカンフットボール部と相談して結論を出したい」とし、被害届の取り下げはしない決断を下したことを明かした。

 「あちらの2人の会見を聞いて体の震えが止まらなかった。憤りから不信感、今は悲しみにつながっている」「いずれの内容も指導者が選手に責任を押し付けている。到底受け入れられるものではなく激しい憤りを感じている」と23日に行われた日大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)前コーチ(30)の会見を批判。「早く解決しないといけない。大人の都合で子どもたちが悲しんでいる姿を見過ごすことはできない」とし、「被害届を出した側が嘆願書を出す。本来はあり得ないが、そうせざるを得ない」と、警察への手続き上、宮川選手の名前を記さざるを得ないが、内田前監督と井上前コーチへの厳正な処分を求めるため苦渋の決断となったことを明かした。

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