ロケッツが23年ぶりのファイナル進出に王手 しかしポールが右太腿を負傷

[ 2018年5月25日 13:34 ]

終了直前、右太腿を痛めたロケッツのポール(AP)
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 NBA西地区決勝の第5戦が24日(日本時間25日)にヒューストンで行われ、地元で1位のロケッツが98―94(前半45―45)の接戦を制して3勝2敗。連覇を果たした1995年以来、23年ぶりのファイナル進出に王手をかけた。

 試合は第4Qにリードしているチームが5回も代わるシーソーゲーム。しかしロケッツは4分7秒、この日「オールNBA」に満票で選出されたジェームズ・ハーデン(28)のフリースローで81―80と逆転すると、試合終了までわずかなリードを守り切った。

 ただし後半だけで18得点を挙げたガードのクリス・ポール(33)が第4Q残り52秒、オフバランスからシュートを放った際に右太腿を痛めてダウン。肉離れを引き起こしたもようで中1日で迎える第6戦(オークランド)での出場に赤信号が点灯した。

 ロケッツのマイク・ダントーニ監督(67)は、ウォリアーズのホーム連勝記録を16で止めた第4戦に続いて第5戦でも7人ローテーションによる「少数精鋭システム」で臨んだが、その分、出場選手の負担は増加。今季の出場時間が平均31・8分だったポールは38分間、コートに立っており、しかもアイソレーション主体の戦術を徹底したために、運動量がさらに増える試合となっていた。後半はポールが1対1でウォリアーズのディフェンスを切り裂いていく場面が多くそれが勝因にもなったのが、その仕事量多さが故障を招く結果にもなった。今季はすでに24試合を欠場。クリッパーズから移籍してNBA13シーズン目で自身初のファイナルを目指しているポールだが、またしてもケガに見舞われる事態となった。

 ハーデンのシューティング・タッチも気になるところ。39分出場して19得点を稼いだものの、放った3点シュートは11本全部失敗しており、第4戦からの通算では20本連続で一度もリングの中を通過しなかった。ベンチから出たエリック・ゴードン(29)が24得点をマークしてハーデンの穴を埋めたが、第6戦でポールを欠いた場合にはハーデンの復調が不可欠。ハーデンは「すべてのゲームは独立している。だからきょう勝ったことと次の試合は関係がない。いつものアプローチで臨むだけだ」と語ったが、3点シュートの成功率は1回戦(対ティンバーウルブス)が38・5%、地区準決勝(対ジャズ)が29・5%、そして地区決勝は25・5%とじりじりとダウンしており、この日はノーマークになってもシュートを回避する場面も見られた。

 ロケッツは大詰めで12得点、14リバウンドをマークしていたセンターのクリント・カペラ(24)をベンチに下げ、平均身長194・6センチという「超スモール・ラインアップ」で応戦。ただしこれはアイソレーションに対応できるポールがいてこその起用方法だけに、第6戦でポール不在となった場合、ダントーニ監督がどのようなローテーションを組んでくるのかが注目されるところだ。

 4年連続のファイナル進出を目指すウォリアーズはケビン・デュラント(29)が29得点、ステフィン・カリー(30)が22点、7リバウンド、6アシスト、4スティール、クレイ・トンプソン(28)も4本の3点シュートなどで2得点を記録し、ドレイモンド・グリーン(28)も12得点と15リバウンドをマークした。しかし94―96で迎えた残り6・7秒からのプレーでは、カリーのスローインを受けたグリーンがハンドリングをミスして痛恨のターンオーバー。シュートを打つ前にボールを相手に渡すという悔やまれるエンディングとなった。膝を痛めているアンドレ・イグダーラ(34)は2試合連続で欠場。ロケッツ同様、故障者の回復具合がシリーズ制覇のカギを握っている。

 <チーム記録>

 ▼FG成功率=ロケッツ(37・2%)、ウォリアーズ(44・4%)

 ▼3点シュート成功率=ロケッツ(30・2%)、ウォリアーズ(38・5%)

 ▼FT成功率=ロケッツ(84・4%)、ウォリアーズ(87・0%)

 ▼リバウンド=ロケッツ(40)、ウォリアーズ(41)

 ▼アシスト=ロケッツ(12)、ウォリアーズ(18)

 ▼ターンオーバー=ロケッツ(12)、ウォリアーズ(18)

 ▼速攻ポイント=ロケッツ(2)、ウォリアーズ(12)

 ▼ペイント内ポイント=ロケッツ(32)、ウォリアー(34)

 ▼ベンチスコア=ロケッツ(33)、ウォリアーズ(4)

 <個人記録>

 ▼チーム最多得点=ゴードン(ロケッツ=24)、デュラント(ウォリアーズ=29)

 ▼チーム最多リバウンド=カペラ(ロケッツ=14)、グリーン(ウォリアーズ=15)

 ▼チーム最多アシスト=ポール(ロケッツ=6)、カリー(ウォリアーズ=6)

 <西地区決勝の日程>

 ▼第6戦(26日=オークランド)

 ▼第7戦(28日=ヒューストン)

 *日付は現地時間

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