時松3差逆転V!谷口“命令”「アマに負けたら丸刈り」回避

[ 2018年5月21日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 関西オープン最終日 ( 2018年5月20日    兵庫県 小野東洋GC=7124ヤード、パー72 )

15番、アマの久保田(右)が見つめる中ティーショットを放つ(撮影・奥 調)
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 1打差2位から出た時松隆光(24=筑紫ケ丘GC)が71で回り、通算10アンダーで逆転優勝した。最大で3打のビハインドも自分のゴルフを貫き、「丸刈り危機」を乗り越えた。昨年10月のブリヂストン・オープン以来の通算3勝目。1打差2位に今平周吾(25=レオパレスリゾートグアム)ら2人。男子ツアー史上4人目のアマチュア優勝を狙った久保田皓也(20=東北福祉大3年)は3打差4位に終わった。

 勝って怒られるプロはそうそう、いない。ウイニングパットを沈めた時松はキャップを取り、ペコリと頭を下げた。ところが、これを見ていた日本ゴルフツアー機構の青木功会長から「最後のパットを入れたらリアクションをしろ」とプロとしてのたしなみを説かれ、「相手を敬う気持ちだったんですが、ちょっとぐらいしないとダメでしたね」と反省した。

 スタート前は口うるさい先輩プロからハッパをかけられた。朝の練習場。谷口徹から「アマチュアに負けたら、丸刈りな」と一方的に命じられた。久保田が序盤で飛び出し、いきなり3差。「やべーな、これ」と一瞬、覚悟した。だが、「ぽーんといかれて、逆にリラックスできた」と開き直った。

 1Wの平均飛距離は274ヤード(87位)。自分から攻めるタイプではない。最終組の3人が首位に並び、迎えた15番パー5。第1打はフェアウエーを捉えたが、エッジまでフォローで280ヤード。冷静に残り90ヤードに刻み、1・5メートルにピタリ。土壇場で一人バーディーを奪い、抜け出した。

 私生活も堅実だ。一昨年に優勝賞金1億円のツアー競技外の日本プロマッチプレー選手権を制したシンデレラボーイは昨年も賞金を7000万円近く稼いだ。だが、「スマホで大丈夫」と腕時計すら買わず一番大きな買い物は両親にプレゼントした50万円のマッサージチェア。オフも海外に出向くことはせず、地元・福岡県でランニングを日課に過ごした。

 「1勝目は運、2勝目は実力と言われるが、僕は2勝目(36ホールの短縮競技)も運でした。ようやく72ホール戦って自信になった」。謙虚な男が最後に少しだけ、胸を張った。

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2018年5月21日のニュース