日大 内田監督 誠意なき辞任 「かんさいがくいん」と何度も間違い…

[ 2018年5月20日 05:30 ]

報道陣の質問に答える内田監督
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 6日に行われた学生アメリカンフットボールの試合で、日大の選手が悪質なタックルを行った件で、日大の内田正人監督(62)らが19日、兵庫県西宮市内で負傷した関学大QBと保護者、首脳陣に謝罪した。内田監督は一連の責任を取って辞任を表明。ただ、当該プレーに対する指示の有無など、真相究明の部分は24日を期限としている再回答書まで持ち越しとなった。

 日本列島に波紋を広げた1プレーから13日。関学大が求めてきた正式謝罪がようやく実現した。両校の要望により、兵庫県西宮市内でセッティングされた対面は完全非公開となったが、悪質なタックルで負傷した関学大QB、その保護者、鳥内秀晃監督、小野宏ディレクターら首脳陣に対し、内田監督ら幹部4人が頭を下げた。

 会談は約20分。終了後、伊丹空港へ移動した内田監督は、騒動後初めて応じた取材で辞意を表明した。「一連の問題は全て私の責任。監督を辞任する。弁解もしない」。完全にプレーが終了し無防備の司令塔に、背後からタックルを決める前代未聞の悪質プレーに「私はあの後、注意しておりません。私の責任です。私の判断の悪さ」と辞任を決意した理由を説明。さらに2週間近く公の場に姿を見せなかったことに関して、「まず関学大に直接お会いして、直接謝罪することが大事だと考えた」と弁解した。

 ただ、遅すぎる謝罪で最低限の“誠意”は示しても、真相究明は一歩も進んでいない。ラフプレーはなぜ起きたのか――。「監督の指示だったのか」という質問に対し、内田監督は言葉を濁して“核心”から逃げた。謝罪の席上でも、今回の騒動終結に不可欠な部分の言及はなく、24日に期限を設けた再回答書で説明するとした。

 内田監督は帰路、羽田空港でも報道陣に対応し、謝意を口にした。しかし、改めて「現役の選手が“指示があった”と言っている」という質問を浴びせられると「いろいろな臆測に対応し切れない。心外だ」と不快感をあらわにし、取材対応を5分程度で打ち切った。

 ようやく見せた誠意すら疑わしい発言は、伊丹空港での質疑応答でもあった。大学名の「関西学院(かんせいがくいん)」を何度も「かんさいがくいん」と発音。謝罪する相手の名前を間違えるのは、愚挙と呼ぶしかない。果たして24日の再回答書に真実はあるのか。一人の指導者が身を引くだけで、幕引きとはなりそうにない。

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2018年5月20日のニュース