関学大、怒りの会見 責任者謝罪なしに「受け入れられない」

[ 2018年5月18日 05:30 ]

会見で厳しい表情で質問に答える関学大アメリカンフットボール部・鳥内監督(右)と小野ディレクター
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 6日の学生アメリカンフットボールの試合中に日大の選手が悪質なタックルを見舞った一件で、抗議文書への回答を受け取った関学大が17日、兵庫県西宮市のキャンパスで会見を開いた。プレーの真相究明も、具体的な善後策もない内容に、関学大サイドは不満を表明。内田正人監督(62)ら責任者の謝罪がない姿勢に怒りが増幅した様子だ。調査継続中とする日大は24日をめどに再回答するとしているが、誠意ある回答がなかった場合、刑事告訴する可能性も浮上した。

 事実関係の究明もなければ、再発防止策もない。そして何より、誠意が全く見えてこない。15日夜に届いた抗議文書の回答を受け、関学大がセッティングした会見。予定を超える1時間20分の間、鳥内秀晃監督も、小野宏ディレクターも険しい表情のまま質疑応答を続けた。

 「あれだけ悪質なプレーがあったなら、次の日にでも責任者が来て、直接謝罪するのが筋。同じ指導者として、その姿勢はとても受け入れられない」

 あのプレーがなぜ起きたのか――。40年以上競技に携わる鳥内監督が「あんなの初めて見た」という無防備なQBへの背後からのタックル。関学大サイドが最も知りたい疑問への答えが「監督の指示でなく、ルールに基づいた厳しさを求めたため」だった。「もし、そうだとしても、私なら1プレー目で選手があんなことをしたら、その試合は使わない」。複数の証言で、内田監督の指示があったとされており、責任の所在が明らかにされない中身に憤りは募った。

 タックルで負傷したQBはまだ練習に復帰していない。小野ディレクターは家族の様子について「物凄く怒り、憤っている」と明かした。日大は「調査継続中」として、再回答の期限を24日に設定しているが、小野ディレクターはそこでも誠意ある答えが得られなければ、51回の歴史を誇る定期戦の打ち切りを明言。さらに、回答次第では刑事告訴の可能性も浮上した。

 関学大には40年前に、名QBだった猿木唯資さんが試合中にタックルを受け半身不随となった悲しい過去がある。鳥内監督は「脳振とうになったらうそをつくなと言っている。QBでも安全優先。それで負けたら仕方ない」と日頃から配慮してきた。それだけに「あれを認めたらスポーツでなくなる」と言葉に力がこもった。

 「なぜ彼だけがあんなプレーをしたのか。その部分で我々が納得しない限り、この問題は解決しない」と同ディレクター。良きライバルとして、学生アメフット界の歴史を紡いできた「赤と青」の信頼関係は完全に崩壊した。

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2018年5月18日のニュース