阿夢露が引退 ケガに泣いた相撲人生 阿武松親方「うちの力士の手本」

[ 2018年5月14日 13:47 ]

<大相撲夏場所2日目>引退を発表した阿夢露(左)は阿武松親方からねぎらいを受ける
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 元幕内で東幕下39枚目の阿夢露(あむうる、34=阿武松部屋)が日本相撲協会に引退届を提出し、夏場所2日目の14日、東京・両国国技館で引退会見に臨んだ。最近は左肩の筋断裂により、昨年初場所から幕下での相撲が続いていた。「1年リハビリしても力が戻らなかった。そろそろ引退しようと思った」と16年に及んだ相撲人生に別れを告げることを決断した。

 ロシア出身の阿夢露は2002年夏場所が初土俵。12年初場所が新十両だったが、13日目に右膝十字じん帯を損傷して途中休場を強いられた。翌場所から5場所連続全休で、番付は序二段まで落ちた。引退も考えたが、師匠の阿武松親方(元関脇・益荒雄)らから励ましの言葉をもらい、懸命のリハビリで再起。14年九州場所では初土俵から所要74場所で新入幕に昇進し、外国出身力士では最も遅い記録となった。

 幕内在位9場所で、最高位は15年九州場所の東前頭5枚目だった。思い出の一番は、西幕下2枚目だった11年九州場所で勝ち越しを決めた7日目の千代鳳との4番相撲を挙げ「新十両を決められてうれしかった」と振り返った。

 阿武松親方は「こつこつ辛抱してやる力士の典型。うちの力士の手本になっている。勝っておごらず、負けて腐らず。大相撲の根幹を学んでくれたのはうれしい」と愛弟子の奮闘をねぎらった。

 ケガに泣かされた相撲人生だが、その間にさまざまなサポートを受けた。今後について聞かれると「勉強してトレーナーを目指したい。いろんなスポーツ選手をサポートして、日本とロシアのために頑張りたい」と第二の人生の目標を明かした。断髪式は6月16日に阿武松部屋がある千葉県習志野市内のホテルで行われる予定。

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2018年5月14日のニュース