50歳・谷口 涙のメジャー最年長V「やめたほうがいいと思うことあった」

[ 2018年5月14日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本プロ選手権最終日 ( 2018年5月13日    千葉県 房総CC房総=7324ヤード、パー72 )

選手権を制し、ウォーターシャワーの祝福に笑顔を見せる谷口
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 50歳3カ月の谷口徹(フリー)が、涙の復活優勝を果たした。1打差の2位で出て、3バーディー、2ボギーの71で回り、通算6アンダーで並んだ藤本佳則(28=国際スポーツ振興協会)とのプレーオフに競り勝った。2012年のブリヂストン・オープン以来6年ぶりの優勝で、ツアー通算20勝目。尾崎将司(71=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ)の49歳3カ月を更新する国内メジャー最年長制覇の金字塔を達成した。

 降りしきる雨の中でも、谷口の目が赤くなるのがはっきりと分かった。優勝インタビュー。復活までの道のりを問われた50歳が感極まった。

 「やめたほうがいいと思うこともあった。でも、やめるのは簡単。やり続けるしかないと思った」

 幾多の苦労を克服してきた男の執念。支えたのは生命線のパットだった。15番のボギーで一時は後退したが、「これを決めないと優勝はない」と、17番で5メートルを沈めてパーセーブ。ボギーだった藤本と1差とした。迎えた18番。「感覚を信じたら入った」と4メートルのバーディーパットを決めて追いつくと、右腕を大きく振り上げた。

 勝負を決めたのは、プレーオフ2ホール目。2打目を右手前のバンカーに打ち込んだが、難しいライでの第3打をピンまで5メートルに寄せる。藤本がパーだったのに対し、谷口のバーディーパットがほぼ真っすぐの軌道でカップに吸い込まれると、再び右腕を振り上げた。「次いったら負けると思っていた。ここで決めるしかないと思っていた」

 メジャー初となる50代優勝。1926年からの伝統を誇る舞台で歴史を刻んだ。6年ぶりのVで20勝目にも到達したが「一番内容は良くなかった」という。自分のプレーができず勝てる試合も落とし、16年は賞金80位まで低迷。「いつも(引退するか)葛藤していた」と明かす。それでも不断の努力だけは惜しまなかった。15番から応援に駆けつけた練習仲間の市原弘大(35)も「ジムには午前7時に一番早く来ていた。努力のたまもの」ともらい泣きした。

 ライバルが舌を巻くほどの執念でつかんだ勝利。だからこそ、若手が物足りなく映る。「勝つ気があるのかなと思う。あまり貪欲さがない。優勝するために来ているんだから」。今季のシニアツアーには登録せず、5年のシード権を得たレギュラーツアーに今後も専念。尾崎将司のツアー優勝最年長記録(55歳7カ月)をターゲットにする。

 【勝者のクラブ】▼1W=ヤマハ・RMXインプレス・プロトタイプ33(ロフト角9・5度)▼3W=キャロウェイ・GBBエピック(15度)▼3、4U=タイトリスト・915H(21、23度)▼4I〜PW=ヤマハ・RMX116ツアーブレード▼ウエッジ=ボーケイ・SM5(52、58度)▼パター=オデッセイ・ホワイトホット No・5▼ボール=タイトリストプロV1X

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2018年5月14日のニュース