稀勢の里 休場濃厚 横綱ワースト7場所連続 親方「稽古見れば苦しい」

[ 2018年5月11日 05:30 ]

状態が上がらず夏場所出場が厳しい稀勢の里
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 大相撲の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が夏場所(13日初日、両国国技館)出場の可否に関し、結論を取組編成会議のあるきょう11日に持ち越した。師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)が10日、明らかにした。6場所連続休場中の稀勢の里は、次に出場する場所に進退を懸けることを明言しているが、調子は上がっておらず、出場は厳しい状況とみられる。7場所連続休場となれば、横綱では年6場所制となった1958年以降、貴乃花と並び最長となる。

休場か、出場か。決断はきょう11日に持ち越した。稀勢の里はこの日、朝稽古に姿を見せず、病院で左胸などの検査を受けたという。その後、師匠の田子ノ浦親方と電話で約30分話し合った。同親方は「結論は出ませんでした。もちろん本人は場所に出たい気持ちは強いと思いますが、明日の朝もう一度話して決めます」と説明した。

 昨年の春場所で左大胸筋を痛め、翌夏場所から6場所連続休場中。次に出場する場所で進退を懸ける意思を明確にしている。春巡業最終日の4月27日には「万全で出ることが務め」と決意表明。しかし、現状は思い通りにいっていない。師匠も「稽古を見れば厳しいものがある」と苦しい胸の内を明かした。

 患部の直接的な影響だけでなく、相撲自体も精彩を欠いている。3日の横審稽古総見では横綱・鶴竜、関脇・栃ノ心らに3勝5敗と負け越し。その勝敗以上に内容に疑問符が付いた。得意の左差し右上手の形が鳴りを潜め、持ち味の土俵際の粘りもなかった。解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)は「あれじゃあ無理。全然よくなっていない。腰も高い」とバッサリ。4日は春日野部屋に出稽古し栃ノ心に2勝9敗と惨敗。解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「(出場は)やめた方がいい。自分のためにもファンのためにも、歴代の横綱のためにも」と話すなど、稀勢の里の状態を危惧していた。

 休場すれば年6場所制以降の横綱では、貴乃花に並ぶ7場所連続休場のワースト記録となる。2場所連続の全休は自身初めて。17年秋場所と18年春場所に全休した際は、初日の3日前に決断した稀勢の里が初めて“時間いっぱい”まで考え抜く現況に、苦悩がのぞく。

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