久保修平氏 日本人4人目の大舞台審判へ「ピッチに立ちたい気持ちは日増しに強くなっている」
19年9月20日に開幕するラグビーW杯日本大会まで、8日であと500日。強化を図る日本代表と同様に、自国開催のW杯を目指す日本人がいる。日本ラグビー協会公認A審判の久保修平氏(36)だ。過去8大会で大舞台に立った日本人審判は、わずかに3人。狭き門に挑む久保氏が意気込みを語った。
――審判決定まで、あと1年を切った。
「正直、時間が足りない。16年に初めてスーパーラグビー(SR)で笛を吹いた。そこから3年という短い時間でW杯を目指さなければいけない」
――狭き門だ。
「今年の欧州6カ国対抗でも、17人いるSRの主審から4人しか選ばれていない。中には15年W杯を経験した人もいる。彼らに比べてスタートが遅いのが現状。審判には開催国枠がないので」
――この先、どうすれば“逆転可能”か。
「ゲームマネジメントの向上だ。SRのレフェリーマネージャーからもそこを指摘されている。その人はワールドラグビー(WR)のセレクター。SRでいい笛を吹かないと評価をしてもらえない」
――マネジメントとは。
「私の前の仕事は支援学校の教員。その仕事は“待ちの姿勢”だった。障害がない子と比べ、成長が非常にゆっくりで1年経ってできることもある。我慢のいる仕事だった。だがラグビーの現場は違う。何か事が起きてからアクションでは遅い。自分がどう先手を打っていくかが大事。自分からどうゲームを作っていくかという部分。非常に難しいが面白い。技術的な判定の正しさも高めるところだが、どうマネジメントしていくのかというところを取り組んでいる」
――理想のマネジメントとは。
「選手がゲームに集中できること。彼らに正しくプレーをさせるために笛を吹くことも大事だし、笛を吹かないことも大事。吹きすぎると、正しいプレーをしているのにレフェリーがプレーを止めてしまうことになる。バランスが大事」
――6月9日に初めてティア1の試合(カナダ―スコットランド戦)を吹く。
「マネジメントをしっかりしたい。これまで経験したこと、積み上げてきたものを出したい。世界は今、マネジメントに目がいっている。エラーを認識した上で、どうゲームをもう一度立ち戻すのか。判定技術だけじゃないところを見ている。国と国との戦いで、凄いプレッシャーの中、選手が持ってくる感情や思いは相当なものがある。そこでどう、自分らしくレフェリングができるか。選手が間違ったプレーをしたら、間違っているよと言えるかどうか。そこでプレーヤーに力を出させられるか。そういったことをW杯では求められるのではないか。想像の世界ですが」
――苦い思い出。
「16年のルーマニア―カナダ戦。コントロールを失った。選手が試合に集中できず、自分も乱れた。判定の一つ一つが、ぶれた。選手が笛を信頼をしないようになり、フラストレーションがたまりイライラして、もみ合いになった。国を背負って戦う試合で、戦術もメンタリティーも違う。その中で、ゲームの中のボスとしてどう振る舞うのかが足りていなかった」
――試合で心がけていること。
「例えば南アフリカの試合で笛を吹いた時は、アシスタントレフェリーは現地の2人だった。前日にランチを食べながらミーティングをし、そこでどう信頼を勝ち取るかが大事。日常会話もするし、冗談を一つ二つ言えたら仲が深まる」
――プロレフェリーになったきっかけは。
「審判をするか教師をするか、選択に迫られたから。公休を全て使っていて、公立では難しい状況だった。そんな時に日本協会がプロで、という話をくれて、14年からプロになった。プロレフェリーの年収は教員より上だけど単年契約。両親には本当にいいのか、と言われた。安定した公務員の職を捨てるわけなので。妻や妻の両親のサポートには助けられている」
――意気込みを。
「日本でのW杯は一生に一度、あるかどうか。ピッチに立ちたい気持ちは日増しに強くなっている」
◆久保 修平(くぼ・しゅうへい)1981年(昭56)6月9日生まれ、福岡県大野城市出身の36歳。筑紫高1年からラグビーを始め、主にSHでプレー。川崎医療福祉大2年時に審判を開始。大阪府立八尾支援学校の教員との両立を続け、14年にプロレフェリーに転向。15年にニュージーランド国内リーグで、16年にはスーパーラグビーで日本人として初めて主審を務めた。日本協会A級レフェリー。1メートル76、72キロ。家族は妻と娘2人。
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