錦織に戻った創造力ほとばしるプレー 残るはナダルの高く分厚い壁

[ 2018年4月22日 08:30 ]

男子テニス マスターズ・モンテカルロ大会 ( 2018年4月21日    モナコ・モンテカルロ )

マスターズ・モンテカルロ大会シングルス準決勝 サーブを打つ錦織
Photo By 共同

 マスターズ大会で久々に決勝まで進んだ意味は大きい。昨夏の初対戦では手も足も出なかった世界4位のA・ズベレフ(21=ドイツ)を破った白星の価値も大きい。だが創造力ほとばしるプレーが戻ってきたことが、錦織にとっては結果以上の収穫に見えた。

 「第1セットから良いテニスはできていた。何かを変えるよりは集中力を保っていければチャンスは来るだろうと思っていた」。激しいラリーの応酬で疲労もたまり「精神面が試された」という最終セット。互いにサービスキープが続き、試合が煮詰まっていくほどにプレーは冴え渡った。

 第2ゲームでは飛び上がってのジャックナイフと見せかけてドロップショット。第5ゲームでは相手のパッシングショットに飛びついて背面ボレー。第7ゲームでは惜しくもアウトになったものの、股抜きハーフボレーを繰り出した。いずれも破れかぶれのギャンブルショットではなく、ポイントを奪うためにとっさに導き出したスーパーショットだった。

 深いストロークでラリーを組み立て、効果的なドロップショットを何度も織り交ぜて揺さぶった。5―4で迎えた第10ゲームでついにブレークしてゲームセット。「またマスターズの決勝に戻ってくることができた」と2時間13分の熱戦を制すると観客席の陣営に向かってにこりと微笑みかけた。

 22日の決勝(日本時間21時30分以降)では、大会11度目の優勝を狙う世界1位のラファエル・ナダル(31=スペイン)と対戦する。「明日も一番の強敵。思い切ってプレーしたい。集中力としぶとさが必要になってくる」。錦織も復調ぶりを示しているとはいえ、今大会失セット0のナダルの強さは赤土では圧倒的。マスターズ初制覇を果たすには、高く分厚い壁を乗り越えなければいけない。

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