高3の素根輝 史上初の初出場初優勝!女子78キロ超級

[ 2018年4月22日 22:46 ]

<皇后杯全日本女子柔道選手権大会>初出場で初優勝した素根輝はメダルを手に笑顔 
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 柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン・バクー)の女子78キロ超級代表最終選考会を兼ねた全日本女子選手権が22日、横浜文化体育館で行われ、高校3年の素根輝(あきら、17=福岡・南筑高)が史上初の初出場初優勝を飾った。17歳9カ月での優勝は、1993年に16歳11カ月で制した五輪女王の阿武教子に次ぐ年少記録。女子重量級のホープが記録と記憶に残る快挙を成し遂げたが、国際大会での実績を考慮され、初の世界選手権代表は逃した。

 世界代表を争う、朝比奈沙羅(パーク24)との直接対決となった準決勝。両者指導2となった後から、素根が攻勢に出た。喧嘩四つの対戦は釣り手の左手で相手の釣り手(右手)を封じ込め、朝比奈の技出しを阻止。逆に延長戦に入ると体落とし、大内刈り、逆の袖釣り込み腰と矢継ぎ早に技を放つ。いずれもポイントにはならなかったが、完全に守勢となった朝比奈に3つめの指導が飛んで決着。続く決勝でも冨田若春(コマツ)を退け、歓喜の瞬間を迎えた。

 選抜体重別では朝比奈から初勝利しての優勝に感涙した素根だが、この日は満面の笑顔で「本当に優勝したかったのでうれしい。組み手に力を入れて練習してきた。練習量は誰にも負けない。スタミナには自信があるので(延長戦では)負ける気がしなかった」と語った。

 5人きょうだいの末っ子。柔道をしていた父・行雄さんらの影響で、小1から柔道を始めた。当時から現在まで続けているのが、道場や学校での練習を終え、帰宅した後の夜間練習だ。自宅の一部を改装した「虎の穴」には、トレーニング器具や10枚ほどの畳が所狭しと並ぶ。朝練や授業、学校での稽古でどれだけ疲れても、必ず2時間はこもって汗を流す。練習相手を務めてくれる長兄の勝さんとの打ち込みも欠かさず、「(練習の)積み重ねが優勝につながった。兄のために優勝したかった。恩返しできた」と感謝の言葉を述べた。

 大会後に開かれた全日本柔道連盟の強化委員会では、昨年の世界選手権2位、その後の国際大会3連勝と実績で上回る朝比奈が世界代表に決まり、素根は今夏のアジア大会(ジャカルタ)代表に決まった。「選んでいただいたら絶対に頑張る」と話していた素根に吉報は届かなかったが、4歳上のライバルに2連勝。「(対朝比奈の)1、2回目は相手の力が上と思ったけど、今は少しずつ追い付いていると感じる」。大目標の20年東京五輪に向けて、朝比奈の背中は確実に近づいてきた。

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2018年4月22日のニュース