斉藤立 衝撃のオール一本勝ちVも東京五輪へは険しい道のり「でも覆したい」

[ 2018年4月20日 11:13 ]

柔道のロシアジュニア国際を終え、成田空港に帰国した斉藤立は金メダルを手に笑顔
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 柔道五輪王者の故斉藤仁氏(享年54)の次男で、男子100キロ超級の斉藤立(16=東京・国士舘高)が20日、初の国際大会となったロシア・ジュニア国際(サンクトペテルブルク)を終え、成田空港に帰国した。大会では4試合オール一本勝ちの優勝。世界デビューで強烈なインパクトを残したが、「(初の国際大会で)ちょっとビビって緊張した。(相手選手が)デカいな、と。試合前も会場に音楽が流れたり外国人はうるさいし、国際大会という雰囲気だった」。1メートル90、155キロの自身よりも大きな相手と対戦した国際大会を、新鮮そうに振り返った。

 戦いぶりは規格外だ。初戦は15年の世界カデ選手権の90キロ超級を制したカイトフ(ロシア)といきなりの難敵。内股を仕掛けた際に「足が(相手の急所に)入ってしまった」という。だが、そこで攻撃の手を緩める斉藤ではない。「せこいと思った」が攻め立て、体落としからの押さえ込みで合わせ技一本。例えアクシデントであっても、勝負の世界の厳しさを知るからこその完勝だった。2回戦では父から初めて習った技である体落としで一本勝ち。全4試合を通じて「内容はあまり良くなかった」と振り返ったが、「最後に残るのは体に染み付いた技だと思った」と体落としを伝授してくれた天国の父に感謝した。

 当初はロシアという未知の国に不安が多かったようだが、実際に行くと「ご飯もおしかったし、いい人が多かった」と好印象を抱いた様子。食事では「じゃがいものスープがおいしかった」といい、体重は160キロ近くまで増加。これには「あまり増えると(国士舘高の岩渕)監督に叱られます」とし、一昨日からは夕食を抜いて体重調整していることを明かした。

 あと2年と迫った20年の東京五輪での金メダル獲得を夢見る。代表選考レースに参戦するためには、シニアの国際大会で結果を残すことが条件となるため、現状では非常に厳しい道のりと言える。それでも「(周囲から)東京は無理と言われている。自分でも無理かなと思う。でも覆したい。今年(の成績)次第」。未完の大器は高い目標を掲げ、五輪2大会連続金メダルの父の背中を追う。

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2018年4月20日のニュース