立ち技の名手阿部一二三 寝技でも新境地

[ 2018年4月19日 20:14 ]

 柔道の男子日本代表が19日、東京都多摩市の国士舘大で強化合宿を公開し、9月の世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)代表に内定している66キロ級の阿部一二三(20=日体大)らが精力的に稽古を行った。

 昨年の世界選手権とグランドスラム東京大会の両大会を制し、全日本柔道連盟の定める内規により早々と世界代表を決めている阿部は、最終選考会となった今月初旬の全日本選抜体重別選手権を欠場した。当日はテレビ中継のゲストとして試合を見守ったが「見ていて刺激になる試合が多かった。何よりも見ていて試合をやりたくなった」と闘争本能をかき立てられたことを明かした。

 階級別の日本一を決める大会を回避することで、2連覇を目指す世界選手権へ独自の調整を行えるメリットがある。この権利を最大限に活かすため、阿部は1月には欧州へ単独武者修行を敢行。ドイツでは寝技の名手との呼び声が高いナショナルチームのトラウトマン・ヘッドコーチの下で腕ひしぎ十字固めの取り方などを学んだ。

 20年の東京五輪に向けては、超一品級の立ち技に比べ、まだまだ伸びしろの大きい寝技を磨くことが、金メダルへの近道となる。この日の稽古の最後には、その寝技には定評がある国士舘大の選手を相手に練習。代表の担当コーチである古根川実コーチも「徐々に(技術が)上がっていると感じた」と目を細めた。

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2018年4月19日のニュース