宇野 苦笑いSP5位、右足甲痛め“安全策”もジャンプでミス

[ 2018年3月23日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権第2日 ( 2018年3月22日    イタリア・ミラノ )

世界フィギュア男子SPで演技を終え苦笑いを浮かべる宇野(撮影・長久保 豊)
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 男子ショートプログラム(SP)で、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が94・26点で5位スタートとなった。右足甲を痛めている影響で難易度を落としたジャンプ構成で挑んだが2連続3回転ジャンプでミスが出た。友野一希(19=同大)は11位、田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)は14位。来年3月にさいたま市で開催される世界選手権の3枠取りに黄信号がともった。

 最終滑走者として登場した宇野は冒頭の4回転ジャンプはフリップを回避し、トーループを選択した。出来栄え評価で2点以上の加点を得る完璧なジャンプだった。だが、後半に新たに組み入れた2連続3回転ジャンプで、最初のサルコーを降りた際にバランスを崩してしまい、2回転トーループを強引につけることしかできなかった。終盤のスピンの前にはつまずく場面もあった。五輪から基礎点を8・49点下げた“低難度”のジャンプ構成で挑んだが、ミスなくまとめることはできなかった。

 「朝の公式練習では痛かったけれど、気持ちが高まったからか痛みもなかった。体が動いた分、難しい構成でやってもよかったかな。でも悔やむのは(連続ジャンプを)失敗したことです」。得点は自己ベストより10点以上低い94・26点。なんとか上位に踏みとどまったが、5位発進はシニア転向後としては15年9月USインターナショナル9位以来の低調な順位だった。

 五輪で銀メダルを獲った翌日には「もう僕は次の試合に向けて練習しようと思う」と帰国するなど早くから今大会に備えてきた。しかし、柔らかくなりすぎたスケート靴を新調したことが原因で右足甲に痛みが出た。20日の午前の練習でジャンプの転倒を繰り返すうちに症状は悪化。午後の練習は数分で打ち切り、関係者に背負われてバスに乗り込むほどだった。「もしあの状態が続いたら…」と一度は欠場も脳裏をよぎったが、何とか出場にこぎつけた。

 来年の世界選手権の3枠を獲得するには上位2人の順位合計が13以内でなければならないが、現時点で「16」と厳しい状況だ。フリーまで中1日。「3枠を考えると足を引っ張っているところがある。最後まで元の構成を諦めない」。SPでは安全策が不発に終わっただけに、ぎりぎりまで攻めのジャンプ構成を探っていく。

 ▽世界選手権の出場枠 3選手が出場する場合は上位2人、2選手の場合は両選手の順位の合計が13以内なら最大の3枠を獲得する。14〜28だと2枠、29以上となった場合は1枠のみとなる。男子は2大会連続で3枠を確保している。1枠となれば、06年以来となる。

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