鶴竜 初の無傷11連勝、4度目賜杯前進 ついに“鬼門”突破

[ 2018年3月22日 05:30 ]

大相撲春場所11日目 ( 2018年3月21日    エディオンアリーナ大阪 )

大相撲春場所11日目 逸ノ城(右)を寄り切り11連勝を決めた鶴竜
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 一人横綱の鶴竜が、初日からの連勝を自身最多の11に伸ばし、単独トップを守った。既に勝ち越しを決めていた好調の小結・逸ノ城を寄せ付けずに寄り切り。4度目の優勝にまた一歩前進した。平幕・魁聖は平幕・貴景勝の休場による不戦勝で1敗をキープ。逸ノ城が敗れたため、2敗は物言いのつく際どい相撲を制した大関・高安だけとなった。

 楽々と“鬼門”を突破した。過去2度の初日から10連勝は、いずれも11日目に土がついていたが、鶴竜は重圧など感じていなかった。「そういうことは考えないようにしていた。(初めて11連勝できたことは)そこはよかった」。10日目までと変わらぬ穏やかな表情で振り返った。

 対戦相手は10日目に全勝の魁聖を破って2敗を守った逸ノ城。低く当たって左四つに組み止めた。肩越しの左上手を許したが「むしろ、そこでもっといい体勢になれた」というように、頭を相手の顎の下につけることができた。「いいところを取れていた」という左上手を引きつけて逸ノ城の右を殺し、215キロを寄り切った。

 師匠の井筒親方(元関脇・逆鉾)のアドバイスで、三役に上がった09年ごろからしばらくは、相撲内容をノートに書き留めていたという。逸ノ城と10場所ぶりの対戦となった初場所はノートを見返し、下から下から攻めて寄り切り。今場所はそのイメージのまま勝ちきった。逸ノ城戦の9勝のうち、7勝が寄り切り。攻略パターンが頭に入っているからこそ慌てなかった。

 4場所連続休場明けで進退が懸かった初場所は「(初日から)飛ばしてやっていたので、その分、疲れが来たのかなと思う」と振り返る。それでも、5場所ぶりに15日間を取りきれたことが「経験になっている」とプラスに働いている。

 1敗は魁聖、2敗は高安だけとなった。このまま連勝を続ければ13日目に賜杯を抱く可能性もあるが「まだまだ。もっと集中していかないと」と気持ちの緩みはない。白星を積み重ねることだけに集中する。

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