新田銀…悔し涙もエースの意地 不振ノルディック勢メダル1号

[ 2018年3月15日 05:30 ]

平昌パラリンピック ノルディックスキー距離 ( 2018年3月14日 )

銀メダルを獲得した新田佳浩(右)は長男・大翔君(奥)、次男・健翔君を抱きしめる
Photo By スポニチ

 ここまでメダル0と不振にあえぐノルディックチームに光をもたらしたのはエースだった。優勝者に0秒8差でゴールして倒れ込むと、悔し涙があふれてきた。目指した金色ではなかったが、それでも「流れを変えたかった」と日本勢が息を吹き返すきっかけとなるこん身のレースを見せつけた。

 3歳のとき、祖父が運転するコンバインに左手を巻き込まれ、肘から先を切断した。普通の子供と同じように育てられた新田は小学3年からクロスカントリースキーを始めると、中学2年のとき出場した全国大会で日本代表の荒井秀樹監督の誘いを受け、パラリンピックの門を叩いた。

 10年バンクーバー大会では2冠に輝いたが、14年ソチ大会はメダルを逃した。平昌に向け国立スポーツ科学センターで肉体改造に着手した。筋力の数値は8年前と同じレベル。バランス感覚、最大酸素摂取量などアスリート能力は「過去で一番良かった」と自信を持って臨んでいた。

 37歳とベテランの域に達したがまだ成長は止まっていない。17日のクラシカルに向け「次は確実に金メダルを獲りに行きたい」と気を吐いた。

続きを表示

この記事のフォト

2018年3月15日のニュース