桃佳ついにやった金!史上最多タイ4個目&3色コンプリート

[ 2018年3月15日 05:30 ]

平昌パラリンピック アルペンスキー

平昌冬季パラリンピックのアルペンスキー女子大回転座位で金メダルを獲得し、セレモニーで歓声に応える村岡桃佳
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 アルペンスキーの大回転は女子座位で村岡桃佳(21=早大)が日本勢第1号となる金メダルに輝いた。村岡は98年長野大会の大日方(おびなた)邦子以来となる1大会での金・銀・銅メダルコンプリートを達成し女子アルペン界の歴史に名を刻んだ。1大会4個のメダルは冬季大会の日本史上最多タイ。日本のアルペン勢としては最多記録を更新した。ノルディックスキー距離の男子スプリント・クラシカル立位はバンクーバー大会2冠の新田佳浩(37=日立ソリューションズ)が2大会ぶりの表彰台となる銀メダルを獲得した。

 平昌に、春を告げる桃色の笑顔が雪上にはじけた。日本勢金メダル第1号。「これまでとは違う。セレモニーの真ん中に立って夢見心地な気分」と待望の瞬間をかみしめた。

 1本目で2位に1秒40差をつけて折り返すと、2本目は「金メダルか、コケてさよならするか、どっちかでいこうという思いで挑んだ」。女子アルペン界のレジェンド大日方団長も認める世界トップレベルの技術で「狙っていた」という大回転を攻略した。

 果敢なレース展開とは裏腹に、人見知りが激しかった。そんな選手がパラリンピックの大舞台で自分を思う存分表現するまでに成長。きっかけは高校時代だった。「格好つけたがりで手伝ってほしいときも言えずに後で困ったことがあった」。3年間クラス替えがなかったことで、時間をかけてゆっくりと仲間にとけ込み「徐々に自分をさらけ出せるようになった。(性格は)高校で変わった」。今ではパラリンピックを席巻している。

 4歳の時に突然歩けなくなった。横断性髄膜炎と診断されたが原因は分からない。父秀樹さん(48)はiPS細胞で難病が治るというニュースが駆け巡った時「歩けるようになるといいね」と声を掛けた。すると、村岡が返した。「そしたらチェアスキーができなくなるじゃん」。チェアスキーとともに歩み、人生を輝かせた。

 最終日の回転の結果次第では冬季大会史上最多メダル獲得記録を更新する可能性も見えてきた。「自分で始まり、自分で終わる大会」の達成に向け、「3つの色がそろってうれしい。あと1種目も表彰台を目指して頑張ってきたい」と記録にも残る大会にする。

 ▼日本選手団大日方邦子団長 村岡は本当によく頑張った。ギアが一段上がり、非常に伸び伸びと滑ることができていた。1回目も2回目もちゃんと攻められていた。(個人の獲得メダル数で)後輩が私を超えてくれてニコニコです。

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