貴親方 貴ノ岩復帰は「慎重期したい」、春場所出否明言せず

[ 2018年2月28日 05:30 ]

朝稽古を終え引き揚げる貴ノ岩(左)
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 大相撲の元横綱・日馬富士が起こした傷害事件の被害者である十両・貴ノ岩(28=貴乃花部屋)の師匠の貴乃花親方(元横綱)が27日、騒動発覚後初めて、公の場で弟子の現状について語った。京都府宇治市の貴乃花部屋宿舎での朝稽古後に取材対応。2場所連続全休からの復帰を目指す春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)について、状況を慎重に見極めた上で出場するか否かを判断する方針を示した。

 昨年10月に起きた元日馬富士による傷害事件。騒動が発覚しても貴ノ岩について多くを語らなかった貴乃花親方が、公の場で初めて愛弟子について言及した。関西入り後の初稽古だった前日は「何も答えられない」と硬い表情だったが、この日は一転、親方自身が感じた思いを吐露した。

 「本人は土俵から離れているし、本場所の土俵も違う。あっけない、恥ずかしい相撲は取りたくないというのは強いと思う。私としては慎重を期していきたい。あと2週間で慌てず焦らせずに体力を上げさせていけるか」

 頭部に暴行を受けた影響で2場所連続全休となった貴ノ岩は、幕内から十両に陥落した。今場所は特例措置で西十両12枚目に据え置かれたが、再び休場なら幕下となる。だが、師匠が最優先しているのは愛弟子の体調だけに、現時点で春場所の出否については明言しなかった。

 貴ノ岩はこの日もぶつかり稽古で頭から当たったが、前日に比べ当たりは弱かった。貴乃花親方は「(ぶつかり稽古を再開したばかりで)まだ当たりの方は。元々頭で当たるのは恐怖心がある」と説明した。その上で「当たった後の反応を、どこまで上げられるか」と復活のポイントについて話した。

 相撲を取る稽古はできていない。貴乃花親方はこの日、「気持ちが乗るまでやらないように」と話したという。その一方で「腕立て伏せなども昨日よりは数を増やしているみたいだった」と徐々に復調していることは感じている様子だった。

 貴乃花親方は今月の理事候補選挙で落選した。関係者には「今後は弟子たちの指導に専念していく」と語ったという。理事の肩書を失った平成の大横綱は、家族同様と捉えている愛弟子の動向に細心の注意を払って見守っていく。

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