長野超え最多13個メダル 追い抜き娘が証明した日本の技術力

[ 2018年2月26日 09:30 ]

平昌冬季五輪 閉幕

女子団体追い抜きで金メダルを獲得した(左から)高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃、菊池彩花
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 【平昌五輪・総括】平昌五輪の日本のメダル獲得数は過去最多だった98年長野五輪の10個を上回る13個となった。躍進の立役者はスピードスケート。前回ソチ五輪のゼロから一気に金3つを含む6個と量産した。

 かつてのお家芸復活を支えたのはソチ五輪の惨敗を受けて発足したナショナルチーム(NT)。従来、強化の主体は各所属チームだったが、所属の枠を超えて有力選手が集まり、少数精鋭で年間300日以上一緒に活動。オランダ人コーチの科学的データを重視した指導で高木美の才能が開花し、周りの選手も力をつけた。

 今大会、最も印象深かったのはスピードスケート女子団体追い抜きの決勝だ。日本は個人種目のメダリストをそろえる強豪オランダに完勝した。そこにはNTでの長期的な強化を経て、美しい隊列、素早い先頭交代など、研究の末に生み出された日本独自の技があった。

 一方、ショートトラックはNTをつくりながら低迷を抜け出せなかった。今季は有力選手の多くがNTを辞退。個別の調整を認めたが、結果は出なかった。選手が成長できると思うような体制を整えることがNTにとっては不可欠。NTの意義をもう一度見直す必要がある。

 スキー・スノーボードのメダル数は前回の7から4に減ったが、カーリング女子が初の表彰台の3位になったのは明るい話題だった。日本は個々の能力や身体能力では劣っても、組織力や技術力で勝負できることを改めて示した。20年東京五輪、22年北京冬季五輪を目指す多くの競技にとって、NTの成功、団体追い抜きの成功から学ぶことは多い。(五輪担当キャップ・柳田博)

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2018年2月26日のニュース