ザギトワ美しすぎる金 15歳9カ月が異次元239・57点

[ 2018年2月24日 05:30 ]

平昌冬季五輪フィギュアスケート女子フリー ( 2018年2月23日 )

女子フリー、演技を終えガッツポーズをするザギトワ(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーが23日、江陵アイスアリーナで行われ、ショートプログラム(SP)1位の15歳、アリーナ・ザギトワが合計239・57点で金メダルを獲得した。SP2位のエフゲニア・メドベージェワ(ともにOAR=個人参加のロシア選手)とフリーは同スコアの156・65点。SPのリードを守り切った。今季シニアデビューした新星は、シーズン無敗のまま世界の頂点に立った。また、ロシアの組織的ドーピング問題で今大会生まれた「OAR」選手として金メダル1号となった。

 情熱的な真っ赤な衣装に身を包んだザギトワは、演技前半は優雅に舞う。そして、後半にバレエ曲「ドンキホーテ」のテンポが速くなると、ジャンプで畳み掛ける。最初に予定していた高難度の2連続3回転ジャンプは、ルッツの着氷で体勢を崩して単発となったが、その後の3回転ルッツに3回転ループをつけてリカバー。全てのジャンプを決めきると、右手を振り上げて喜びをあらわにした。

 98年長野五輪のタラ・リピンスキー(米国)の15歳8カ月に次ぐ史上2番目に若い15歳9カ月の戴冠。最終滑走のメドベージェワも完璧な演技だったが、世界最高得点を塗り替えたSPの貯金がそのまま生きた。OAR選手として初の金メダルを手にし「私たちロシアからの選手が優勝するのをみんなが待っていた。凄く緊張したけれど、金メダルが獲れてうれしい」と笑顔を見せた。

 助走なしで3回転を跳ぶ高い身体能力を生かし、7つのジャンプ要素全てを基礎点が1・1倍になる後半に組み込んだ。団体戦のフリー演技後には、14年ソチ五輪米国代表のワグナーから「前半は時間をつぶして、後半はジャンプしているだけ。それは演技じゃない」とツイッターで批判された。優勝が決まった直後には、国際スケート連盟が偏りのないプログラム構成を推奨するため、後半ジャンプの本数を制限するルール改正に動いていることが判明。それほど、ザギトワの与えたインパクトは強かった。

 ロシア中部イジェフスク出身。12歳で親元を離れてモスクワに移り、メドベージェワも指導するトゥトベリーゼ・コーチの下で成長した。昨季の世界ジュニアを制し、シニア転向1年目の今季は主要大会無敗。新潟での合宿を経て五輪に臨んだ。寿司が好物で「将来の夢は日本食レストラン開店」という。2連覇した羽生結弦についても「私のお手本。ケガがあってもベストの演技をした彼を尊敬している」とリスペクトも惜しまない。史上最もハイレベルで、最も熱かった戦いを制した親日家の美少女。羽生同様に五輪を連覇するのも、夢物語ではない。

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2018年2月24日のニュース