カー娘 韓国と死闘延長も敗戦…24日英と銅メダルかけ最終決戦

[ 2018年2月24日 05:30 ]

平昌冬季五輪 カーリング女子準決勝   日本7―8韓国 ( 2018年2月23日 )

<平昌冬季五輪・カーリング女子準決勝>第4エンド、ストーンを投げる藤沢五月
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 女子で世界ランク6位の日本(LS北見)は準決勝で同8位の韓国に延長戦の末、7―8で敗れ、銀メダル以上が確定する25日の決勝進出を逃した。1点ビハインドで先行となった第10エンドに奇跡的に追いついたが、第11エンドに1点を奪われ、振り切られた。24日午後8時5分、世界ランク4位の英国と銅メダルを懸け3位決定戦で激突する。

 この敗戦の意味を示すには真っ赤な目と、ワンフレーズあれば十分だ。韓国との死闘を終えたスキップの藤沢は、「悔しいです」と涙を流した。延長第11エンド、後攻の韓国スキップ“眼鏡先輩”こと金恩貞のラストショットが、円心付近で止まる。「相手がいいショットだった。拍手です」。1次リーグでは7―5と下したが、メダルを懸けた大一番でリベンジを許した。

 第1エンドに3点先行されたが、「まあ、五輪はこんなものかと開き直った」と言う。第8エンドを終えて4―7。第9エンドに2点奪うと第10エンド、円心に一番近い日本のストーンに当てた韓国のラストショットが、わずかに伸びた。「半分負けたと思った」。韓国選手がフライングでガッツポーズし、藤沢もスイープするのを一瞬忘れるほどだったが、奇跡の1点スチールで延長戦へ。死力を尽くした先に韓国が笑い、日本が泣いた。

 「タイ(同点)まで追いつけたのは、やってきたことが間違えていなかったと証明できた」

 藤沢は中部電力所属だったソチ五輪前の国内大会では北海道銀行に敗れ、16年世界選手権はスイスとの決勝の最終第10エンド、円心付近に止めれば同点という場面で、ストーンがハウスを通過。勝負どころで弱い自分を変えるため、昨春からメンタルトレーニングを始めた。涙を流しながら、自分と向き合った。試合前には鏡と正対し、笑顔の自分を確認してから氷上に立つ。

 チームも苦しみを乗り越えてここまできた。カーリング選手はストップウオッチを持ち、ストーンの通過速度を計測してショットやスイープの強弱を判断。昨季は五感を使ってプレーするため、数字を測らなかった。うまくいかず大会で一度も優勝できなかった昨季を経て、今季から再びストップウオッチを使うと手元の数値と頭の数字が合致。研ぎ澄まされた感覚が、平昌での進撃を呼んだ。

 韓国には屈したが、表彰台へのチャンスは残されている。24日、英国と3位決定戦。「自分に自信を持って、チームに誇りを持ってベストを尽くしたい」と藤沢が言えば、「ラスト1投まで戦いたい」と10年8月にチームを創設した本橋。スポンサーゼロから始まった物語。流してきた涙と汗、努力の日々が結実した時、メダルの夢は現実に変わる。

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