【黒岩敏幸 分岐点】追い抜き娘、後半勝負で逆転 技術と練習のたまもの

[ 2018年2月22日 09:40 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子団体追い抜き ( 2018年2月21日 )

 結束力の高い日本らしい最高のレースだった。日本はスタートで先頭だった高木美がいつもよりハイペースで入り、オランダに先行したが、次に先頭の佐藤が少しペースを落とした。しかし、慌てることなく高木菜が再びペースを上げてうまくラストの高木美につないだことで、残り2周での逆転を呼んだ。最後は高木美が相手のエース、ブストとの勝負によく勝った。

 先頭の周回数をこれまでと変更し、準決勝に続く2レース目の高木菜が1・5周→1周、逆に初レースの佐藤は1周→1・5周、高木美3・5周とする作戦もうまくはまった。

 日本の強みは技術力。カーブの頂点までに完了するスムーズな先頭交代と抵抗の少ない美しい隊列で、後方の選手が力をためながら滑ることができる。半周のラップでは、オランダは最後15秒台まで落ちたが、日本は14秒台半ばをキープした。後半で勝負できるのは技術と練習のたまもの。組織力で勝ち取った金メダルだと思う。 (92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2018年2月22日のニュース