渡部暁 走力の差に無力感「山頂目前で引き返さなきゃいけないのかも」

[ 2018年2月22日 22:21 ]

平昌冬季五輪 ノルディック複合団体 ( 2018年2月22日 )

金メダルに喜び記念撮影するドイツ代表の前をガックリと引き揚げるアンカー・渡部暁
Photo By スポニチ

 4年前のデジャヴのような結果に、渡部暁斗(29=北野建設)は少し無力感を感じているようだった。団体戦は厳然とした走力の差を見せられて4位。前半飛躍でアドバンテージを築けなかったとはいえ「ジャンプが1位だったとしても結局追いつかれて変わらない結果になる。ジャンプ(練習)を少し削ってでも走れるチームになった方がいいのかな」と険しい表情だった。

 3種目を終えて個人ノーマルヒルで銀、同ラージヒルで5位、団体戦は4位。ソチ五輪の銀、6位、5位とほぼ同様の成績だった。「気分はソチの時と一緒。銀メダルを獲ってうれしいはずなのに全然うれしくない」と語り、「ソチの前から数えると8年間戦ってきて結局何も変わらなかったのかな」と呆然とした様子だった。

 飛躍、距離ともに成長の手応えはあるものの、それが海外勢との走力の差を埋めるにはいたっていない。バランスを取ってどちらも強化するのはなく、ドラスティックな変化の必要性も感じ始めている。個人ラージヒルの後には「頂上は見えているけど上り方が分からない」と語っていたが、団体戦で改めて現実を突きつけられた。「山頂を目前にして1回引き返さなきゃいけないのかもしれない。1回下山して自分を見つめ直して、装備を整えてもう一回登る準備をしようかな」と勇気ある“撤退”をも視野に入れていた。

続きを表示

2018年2月22日のニュース