山中 日本勢最高5位入賞、夫人からのラブレター「大丈夫だよ」で本領発揮

[ 2018年2月19日 23:27 ]

平昌五輪 スピードスケート男子500メートル ( 2018年2月19日 )

<平昌五輪スピードスケート>男子500メートル、滑走する山中大地
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 スピードスケート男子500メートルが行われ、2大会連続出場の山中大地(電算)は34秒78で日本人最高の5位入賞を飾った。女子500メートルを制した小平奈緒(31=相沢病院)と同じ結城匡啓コーチに師事する27歳は愛する人の手紙で最大限の力を発揮した。

 日本を発つ前、16年に結婚した同い年の元スケーター、麻衣夫人から渡されたラブレター。約束通り14日のバレンタインデーに開封すると、こう書いてあった。

 “前の組でいいタイム出て、盛り上がるはず。そういう気持ちで焦らず準備して。今回の五輪は今までの人生の一部。27年かけて準備してきたんだから大丈夫だよ”

 実力者が並んだ終盤。レースが進むたびに上位が入れ替わる。そして、前の16組目で五輪新が誕生。夫人が想像した光景だった。手紙を思い出し「それで受け止められ集中できた」と精神統一。大歓声でも浮き足立つことはなかった。

 100メートルは全体3位の9秒55。小平が「尊敬の域」とうなる最終コーナーも鮮やかに駆け抜けた。「あの時の環境の中では持っている力は出せた」。ベストを尽くしての5位。「前の組でいいタイム出た。それでも集中して自分の滑りができた」と言葉には満足感がにじんだ。

 18日に同じチームで練習する小平奈緒が金メダルに輝いた。先輩のまぶしい姿を見て気合が入った。「一緒に練習してきて良かった。自分も何かいい結果で恩返ししようと思った」。表彰台には届かなかったが初出場したソチでは1000メートル36位と苦い思い出が残る。日本の「お家芸」と言われた男子500メートルで2大会連続表彰台を逃した悔しさもある一方、麻衣さんのメッセージとともにつかんだ日本人最高位の結果にはうっすらと達成感も見えた。

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2018年2月19日のニュース