レスリング・土性沙羅 葛西さんと沙保里&馨さんは“いるだけ”で刺激

[ 2018年2月19日 10:30 ]

平昌五輪 ジャンプ

描いた葛西のイラストを手にする土性
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 【メダリストは見た】葛西選手、とても悔しい結果に終わりましたね。それまでどんなに結果を出していても、一発勝負の五輪では結果を出せないことがあります。改めて厳しい舞台だと実感しました。でも8大会連続で出場したという偉業は、色あせるものではない。レスリングでは絶対に無理。とても格好いいなと思いました。

 冬の競技を生で見たことはないのですが、至学館大の時にスキーを履いて雪山を半日くらい歩く実習をしました。ただでさえ滑る雪上で、アップダウンもあり本当にキツかった。ジャンプの場合、あんなに高いところから飛ぶ恐怖心はないのか?メンタルが本当に強いのだと思います。

 葛西さんの存在って、レスリングでは(吉田)沙保里さんや(伊調)馨さんと似ている部分があると思うんです。実績も経験も豊富で、私にとってはお姉さんみたいな人たち。その場にいるだけで雰囲気を明るくしてくれて、若い選手に常に刺激を与えてくれる。ジャンプチームは45歳の葛西さんがいて、30代の伊東選手と竹内選手がいて、20代の小林潤選手と小林陵選手がいる。私にとっての沙保里さんと馨さんがそうであるように、“レジェンド”の存在があるから、若い選手も頑張れる面があると思います。

 12年のロンドン五輪で3連覇した沙保里さんですが、大会前に調子が上がらなくて、かなりのピンチだったそうです。でも自分の競技前日、目の前で馨さんと小原日登美さんが金メダルを獲って、一瞬でスイッチが入ったと言ってました。私は一昨年のリオデジャネイロ五輪で初出場で金メダルを獲れましたが、五輪まで世界選手権を勝ったこともなかったし、それほど大きなプレッシャーはなかった。メンタル面でも、もっともっと成長しないといけないと思っています。

 私もできる限りレスリングを続けたいと思いますが、今は2年後の東京五輪に向けて集中しています。地元での五輪ですからね。東京以上の五輪はないと思っています。

 ◆土性 沙羅(どしょう・さら)1994年(平6)10月17日、三重県松阪市生まれの23歳。8歳から吉田沙保里の父・栄勝さんが指導に当たった一志ジュニアでレスリングを始める。世界選手権では初出場の13年銅、14年銀、15年銅で、17年に初優勝。16年リオ五輪69キロ級で金メダルを獲得。1メートル59。昨年4月から東新住建所属。

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