羽生連覇へ「完璧」以外阻まれない圧倒的なGOEと演技点

[ 2018年2月16日 09:00 ]

平昌冬季五輪 フィギュアスケート男子SP ( 2018年2月16日    韓国・江陵アイスアリーナ )

<平昌五輪フィギュアスケート>ネーサン・チェン(左)、金博洋(右)とともに練習に臨む羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 【今日のツボ教えます】羽生の連覇か、宇野の初戴冠か。国際スケート連盟(ISU)のテクニカルスペシャリストでプロコーチの岡崎真氏は、GOE(出来栄え評価)での加点と演技点の評価が高い羽生を金メダルの最有力候補に挙げ、宇野や他の選手が勝つためにはミスをしないことが絶対条件と指摘した。

 公式練習を見た限りでは、羽生は本番に合わせてきちんと仕上げてきたように感じる。4回転ジャンプの切れもいいし、一つ一つの要素もしっかりできている。ここまで状態が戻ってきているのなら、やはり金メダルの最有力候補と言って差し支えないだろう。

 唯一の不安は体力面ぐらいか。練習で一つ一つの要素はきちんとできていても、重圧のかかる中で通しで演技するとなると疲労度が違う。時間の短いSPは問題ないだろうが、13個の要素をこなさなくてはならないフリーだと、心肺機能や筋持久力がどこまで持つか気になるところではある。

 羽生が重圧や体力面の不安を乗り越えてパーフェクトな演技をすれば、たとえ難度を落としたプログラムであっても、他の選手が上回るのは容易なことではない。グラフが示している通り、羽生のGOEと演技点は他の選手に比べて高いからだ。羽生の演技は流れを損なわない。ジャンプを降りた後もスケートの流れがきちんと続いているので、そのまますぐ、つなぎの演技に入りやすい。スピンもポジション取りが奇麗なので見栄えがする。

 宇野は団体戦のSPでミスはあったものの、それでも100点を超す得点を出したのは好材料だ。精神面も心配はないだろう。宇野が勝つためには、まず失敗のない演技をすることが大前提になる。今の羽生と宇野なら、よほどのことがない限り、そろって表彰台に上がる可能性は極めて高いと思う。

 外国勢ではチェン(米国)が4回転ジャンプの種類は一番多い。ただ団体戦のSPではミスが目立ったので、むしろ団体に出なかったフェルナンデス(スペイン)や金博洋(中国)の方が不気味だ。いずれにしても、金メダルを獲るためにはとにかくミスをしないこと。誰が一番ミスが少なく、そしてクオリティーの高い演技ができるか。それが金メダルへの最短距離になることは間違いない。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2018年2月16日のニュース