国武 予選落ち 小柄な体に不運向かい風…ホロ苦16歳誕生日

[ 2018年2月11日 05:30 ]

平昌冬季五輪 スノーボード・スロープスタイル男子予選 ( 2018年2月10日 )

平昌五輪男子スロープスタイル予選2回目 ジャンプする国武
Photo By 共同

 10代コンビの五輪デビューはほろ苦い結果に終わった。スノーボード・スロープスタイル男子の予選が行われ、国武大晃(16=STANCER)は43・16点で予選2組の14位、大久保勇利(17=ムラサキスポーツ)は75・05点で同8位に終わり、11日の決勝に進める各組上位6人に入れなかった。国武は全体26位、大久保は同14位。21日に予選が行われる新種目のビッグエアでもう一度決勝進出を目指す。

 16歳の誕生日に平昌の風は冷たく吹きつけた。五輪デビュー戦は2本のランを完遂できずに終わった。「予選落ちしたので悔しい。実力も足りないし、もっと大きな飛びをしないと。全部強化しないといけない」。大舞台での活躍を夢見てきた国武にとって、世界の壁にはじき返された忘れられないバースデーとなった。

 悪天候のために競技開始が約30分遅れた。その後もコースにはくるくると回る風が吹き続けた。向かい風に当たった国武は滑走スピードが出ず、1回目は2つ目のジャンプ台で着地面に届かずに転倒。2回目も2つ目に軽く尻もちをつくと、大きく減速して3つ目を飛べなかった。

 スピードが出ず、ジャンプにも迫力を欠いた。その原因を「風です」と一度は言いかけたが「言い訳になるから言いたくない。実力にしておいてください」と言い直した。1メートル63、54キロと小柄な体は、外国勢に比べて一層風の不利を受けた。

 観戦した父・大毅さん(45)は「公開練習では全て立っていたのに、自分の順番で向かい風が来てしまった」と国武の気持ちを代弁した。二人三脚でスノーボードの研究に励み、息子の無事を祈願して自宅では2羽のハヤブサも飼い始めた。「時の運も連れてきてこそ世界で一握りのライダーになれる」と厳しくエールも送った。初めての五輪にはまだ続きもある。「楽しむことも大事。みんなが応援してくれる。楽しみつつ、次は予選を通過したい」と10日後のビッグエアでの雪辱を誓った。

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