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もう1人のソチメダリスト、平岡卓が目指す平野歩夢とは別の道

目標が書かれた色紙を手にする平岡卓
Photo By スポニチ

 4年前にソチの表彰台で脚光を浴びたスノーボード・ハーフパイプの10代コンビ。銀メダルだった平野歩夢(19=木下グループ)は、金メダル候補として世界中の耳目を集めている。それに比べると銅メダルの平岡卓(22=バートン)への注目は今回そこまで高くはないようだ。

 「客観的に見て実力的にはメダルは厳しいポジションにいてるかなと思う。その中でも自分のパーフェクトな滑りできたら、もしかしたら食い込めるかもしれない」。平昌での初練習を終えた後、平岡は2度目の五輪における立ち位置を自ら語った。あきらめでも、嘆きでもなく、彼らしい淡々とした口ぶりだった。

 ハーフパイプの高難度化はソチ五輪後にますます加速した。今大会前には平野がXゲームで史上初の4回転の連続技に成功。平岡は「いくところまでいっちゃっている」とあきれたように笑いつつ、「あれ以上の技はなかなかない。競技的には勝てる気がしない」と白旗をあげた。

 この先、どこまで回転数は上がっていくのか。「1620(4回転半)も回すだけならできると思う。でもそれだとどんどん機械的になって陸上や体操と同じになる。俺はそうじゃないスノーボードがしたい」。それは1つにはスノーボードで“スタイル”と呼ばれるような個性を大事にした滑りだろう。

 「難しいトリックをしている人をディスっているわけじゃない。歩夢も凄いと思うけど、完全に遊びじゃなくなってしまっている。自分の目指しているスノーボードはそうじゃない」。どの道を選ぶかはそれぞれのポリシーの問題である。五輪種目採用から20年。いやがおうにも競技化が進む現状に「それで勝つのは難しいかもしれない」と理解はしている。しかしXゲームでは高難度よりも魅せる滑りを意識したベン・ファーガソン(23=米国)が4位に食い込んだ。平岡の目指すスノーボードが入る余地はまだ失われていない。

 「今回の代表争いの時に調子が悪くて、これは選ばれて五輪に出ても意味ないかなぐらいのレベルだった。そこからあきらめずにやってきて調子も上がってきた」。15年Xゲーム2位、昨年の世界選手権4位など代表に相応しい実績は残してきたが、ナショナルチームの活動停止などのごたごたも含めて本人には悩みの多い期間だった。それを乗り越えて平昌にやってきた。

 XゲームやUSオープンとは異なり、五輪は一般の人の目にも届く波及力のある大会。「俺は歩夢とは全く逆の位置から対抗して戦えたらそれがいい。誰にも似てない自分のオリジナルを見せたい。あとはやるだけ。結構楽しみ」。遊び心の向こうに秘めた闘志が最後にちらっとのぞいた。(雨宮 圭吾)

[ 2018年2月10日 12:30 ]

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