米国の旗手はコイントスで選出 落選のデービス激怒! 人種問題再燃?

[ 2018年2月10日 11:40 ]

コイントスで落選したデービス(右)と旗手を務めたハムリン(AP)
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 平昌五輪の開会式では、米国の旗手をめぐり舞台裏で“衝突”が起こっていたことが明らかになった。

 旗手を務めたのは五輪4大会目の出場となるリュージュ女子のエリン・ハムリン(31歳)だったが、最終的な決定方法はなんとコイントス。ハムリンは2014年ソチ五輪の一人乗りで銀メダルを獲得しているものの表彰台に立ったのはこれ1回だけで、関係者サイドからは五輪5大会目の出場で過去2つの金メダルを獲得しているスピードスケート男子のシャニ・デービス(35歳)を押す声が出ていた。

 ショートトラック出身のデービスは2006年トリノ五輪のスピードスケート男子1000メートルで優勝。冬季五輪初のアフリカ系の金メダリストとなり、2010年バンクーバー五輪の同種目で連覇を達成するなど、実績面ではハムリンをはるかに上回っている。

 AP通信によればデービスは当初、練習日程の都合で開会式への出席を見合わせていたが、代表仲間からの声が高まるにつれて旗手として出席する意欲を見せ始めていた。

 しかしその時点ですでにハムリンの旗手が内定していたために、8人による投票で旗手をどちらにするのかという決める手続きに入った。そして投票では4対4。この結果、スポーツ界の伝統と風習?に従ってコイントスが採用されて“最終旗手”が決まったのだが、「白人のハムリンVS黒人のデービス」という図式が影響してか、予期せぬ論議がわき起こる事態となった。

 五輪での実績ではハムリンを上回っていただけにデービスは「選考過程が不愉快」として結局、開会式への出席を拒否。本来、コイントスはわだかまりのない結果を残すはずだが、開会式での米国の旗手を巡っては、社会にはびこる人種偏見という問題が表面化するという幕切れとなった。

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