スマイルジャパン五輪1勝への“鍵” GK藤本那の冷静ポジショニング

[ 2018年2月10日 07:57 ]

平昌冬季五輪 女子アイスホッケー1次リーグ   日本―スウェーデン ( 2018年2月10日 )

公式練習で的確なポジショニングを見せるGK藤本那(中央)
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 【今日のツボ教えます】当日に行われる競技の見どころを丁寧にレクチャーする「今日のツボ教えます」。第1回はアイスホッケー女子。世界ランク9位の日本代表「スマイルジャパン」は、10日に1次リーグ初戦で世界5位のスウェーデンと激突する。アジアリーグの東北フリーブレイズを率いる若林クリス監督(45)は、キーパーソンにGK藤本那菜(28=ボルテックス札幌)を指名。的確なポジショニングでゴールを許さず、五輪初勝利に導く。

 日本が1次リーグ初戦で対戦するスウェーデンはバランスが良く、組織的なプレーが特長だが、背番号15のFWリサ・ヨハンソンは高いスキルを持つ。試合を組み立てる彼女を抑えれば、スウェーデンの攻撃力はかなり落ちる。

 守備で素早くプレッシャーを与え、自由にプレーする時間を奪うことが必要だが、個人技で突破されてシュートまで持ち込まれることもあるだろう。日本で鍵を握る選手は、GK藤本那菜だと見ている。藤本那が落ち着いていれば、他の選手も安定する。初戦は特に緊張感が高い。GKの落ち着いたプレーは、周囲に好影響を及ぼすものだ。

 藤本那は派手なプレーで魅せるタイプではない。ポジショニングの良さが、持ち味の安定感を生んでいる。パックを止めにいくというよりは、自然にパックが体に当たるイメージ。冷静で頭脳的なGKが本来のプレーをすることで、攻めのリズムも出てくる。

 現役時代にDFだった山中監督は、守備を重視する指導者。4年前のソチ五輪のチームと比べると、ディフェンス面で明らかな変化が見える。相手の攻め方に応じて、日本の選手はスティックを置く位置も巧みに変える。パスコースを消し、他の選手が守りやすくなるように。凄く細かいところまで意識付けがされている。日本はスウェーデンよりサイズで劣る。組織的な守備に加え運動量、粘り強さでも圧倒したい。

 1勝もできなかったソチを経験している選手も多く、結果にこだわっていると思う。ただ、結果へのこだわりが強すぎると、今までやってきたことが出せないこともある。いかにいいバランスで戦えるか。簡単ではないだろうが、1次リーグを突破して決勝トーナメントに行ってほしい。今のスマイルジャパンには、達成できる力が十分にあると思っている。(東北フリーブレイズ監督)

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2018年2月10日のニュース