【岡崎真 分岐点】SP1位の宇野 転倒者続出も出だしミス引きずらず

[ 2018年2月10日 10:00 ]

平昌冬季五輪 フィギュアスケート団体・男子SP ( 2018年2月9日 )

連続ジャンプを決める宇野(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 転倒が相次いだ他の選手たちと違い、宇野は冒頭の4回転フリップで失敗したものの、最後までしっかりと回りきって転ばなかったことが大きかった。跳んで氷から離れた瞬間に体の軸が外側に傾いてしまったので「あっ、転ぶかな」と一瞬心配したが、それでも回転はばらけず、着氷もステップアウトで収めた。まさに練習のたまものと言って良く、普段から練習で跳んでいるジャンプの本数が多いからこそ、考える前に自然と体が反応できたのだろう。

 4回転はGOE(出来栄え評価)で減点されても回転不足や転倒がなければ得点が高い。フリップ後にスピンやステップなどジャンプ以外の要素を挟むことで気持ち的にも落ち着き、続く4回転―3回転トーループの連続ジャンプとトリプルアクセルの成功でフリップの減点分をほぼ補うことができた。冒頭で失敗しながら、それでもシーズンベストに近い高得点が取れたことは個人戦に向けての自信につながる。羽生やフェルナンデス(スペイン)も加わってくるので、今回の点数がそのまま個人戦に反映されるわけではないが気分よく次のステップに進めるのは間違いない。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

2018年2月10日のニュース