小平出た!金タイム 低地自己最速37秒05 本番へ圧巻の仕上がり

[ 2018年2月8日 05:30 ]

<平昌五輪スピードスケート・トライアルレース>トライアルレースで滑走する小平奈緒
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 スピードスケートの記録会が7日、本番会場の江陵オーバルで行われ、女子500メートルは24連勝中の小平奈緒(31=相沢病院)が非公認ながら低地リンクの自己最速となる37秒05をマークした。昨年11月にW杯第2戦(ノルウェー・スタバンゲル)で出した低地自己最速を0秒02塗り替え、18日本番へ弾みをつけた。五輪2連覇中のライバル・李相花(28=韓国)は出場しなかった。

 驚異的なタイムとは対照的に小平は極めて冷静だった。同じリンクで行われた昨年2月の世界距離別選手権は李相花に0秒35差をつけ37秒13で優勝した。1年ぶりの舞台でタイムをさらに0秒08短縮。決戦へ向け文句ない仕上がりを披露し、「号砲が鳴ったら全力なので集中していけた」と話す一方で、「自分の中では凄いタイムじゃない。まだまだ修正点が多い」と自己評価は厳しかった。

 同走したのは今季W杯500メートル出場4戦連続3位の郷亜里砂。最初の100メートルを10秒33で通過すると早くも0秒18リードした。バックストレートでさらに加速。先を行く郷が「奈緒さんが凄い来ていて焦った」と口にするほどの迫力で最終コーナーを攻め切ると、最後の直線で郷を置き去りにした。圧巻のレースにも「今の疲れ具合で実力通りの滑り。妥当なタイム」と涼しい顔で振り返った。

 今五輪は12日の1500メートルを含め全3種目に出場。14日の1000メートルは今季世界新記録を出し、18日の500メートルは現在24連勝中。日本勢として冬季五輪女子初の2冠も狙えるようにキャリアのピークにある。500メートルの日韓頂上対決には地元メディアの報道も過熱。小平と比較される李相花がいら立ちを見せる中、日本のエースは「勝たないといけないとは思っていない。タイムを競う競技。ベストタイムが出せれば何番でもいい」といつもと変わらない。

 過去2大会の500メートルは12、5位。涙したソチ五輪を終えると単身オランダに留学して心身ともに鍛え直した。10年バンクーバー五輪は団体追い抜きで銀メダルを獲得したが、個人での表彰台はまだ経験がない。「切れが足りなかったので休めばまだ伸びると思う」。圧倒的な強さで迎える本番へ「(スイッチを)自分で入れると余計な力みにつながる。歓声の中で体が燃えるものがくると思うので、それを生かしたい」と熱気に包まれるリンクを心待ちにした。

 ≪高地リンクは世界で2カ所のみ≫スピードスケート界で「高地」と言われるリンクは標高1000メートルを超えるカナダ・カルガリーと米ソルトレークシティーにある2つの会場。空気抵抗が少ないため「高速リンク」と呼ばれており、現在あるスピードスケートの全種目の世界記録はこの2会場から生まれている。それ以外の会場は「低地」と位置づけられている。

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2018年2月8日のニュース