歩夢 ドレッド出陣、極寒平昌“カチコチコース”味方に悲願金だ

[ 2018年2月7日 05:30 ]

羽田空港で笑顔を見せる平野
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 スノーボード・ハーフパイプの平野歩夢(19=木下グループ)らが6日、羽田空港から韓国入りした。平昌が記録的寒波に見舞われる中、コースとなるハーフパイプも通常より硬い状態となることが予想されるが、同様の条件で行われた今年の冬季Xゲームで優勝。14年ソチ銀メダリストが“カチコチコース”を味方に悲願の金メダルを目指す。

 雪上ではド派手なジャンプを次々と繰り出す平野だが、普段は物静かな青年だ。髪形こそドレッドヘアにしたものの、服装は紺のブレザーに黒の革靴という五輪仕様で韓国の地を踏んだ19歳は「やれることはやってきた。あとは自分が高い位置(金メダル)を目指す中で、みんながまだ見ていない、そういう自分らしい滑りが悔いなくできれば」とゆったりとした口調で語った。

 刻一刻と開幕が迫る中、話題となっているのが「史上最も寒い五輪」と言われるほどの気温の低さだ。6日の平昌の最低気温はマイナス16度。男子の予選、決勝が行われる13、14日にはいくぶん寒さが和らぐ予報だが、それでも最低気温はマイナス10度前後が予想される。コースは気温の低下と比例して硬くなるだけに「硬すぎるのは好きじゃない」と公言する平野もやや心配げな表情を浮かべた。

 それでも平野は硬いコースで実績を残している。その最たる例が1月28日の米コロラド州アスペンで行われた冬季Xゲーム。「マイナス20度くらい」の中で「フロントサイドダブルコーク1440」から「キャブダブルコーク1440」と、4回転の連続技に史上初めて成功。満点に迫る99・00点で2度目の優勝を果たしたのは記憶に新しい。

 硬いコースは「一つ間違えれば大きなケガをする」と危険と隣り合わせで、パイプから飛び出す際の技術も難易度が増すという。裏を返せば真の実力が試されるコース。ソチ五輪銀、Xゲーム2度制覇の平野の実力からすれば問題はない。「みんな平等なので、練習から気合を入れていけばいい」と話した。

 ウエアに5、6個のお守りをしのばせるのは「常に、いつどうなるか分からない生活をしている」から。支えてくれてきた人たちの思いとともに、平野が平昌の寒空に飛び出す。

 ▽平野のソチ五輪 1回目は90・75点をマークし首位。2回目はさらに難度を上げ、キャブダブルコーク1080(横3回転)を決めるなど93・50点で、ポドラドチコフ(スイス)に次ぐ2位となり、銀メダルを獲得した。15歳74日でのメダル獲得は冬季五輪のスキーやスノーボードという雪上競技では史上最年少。“スーパー中学生”がスノボ界初のメダルを手にしただけでなく、ソチでの日本勢表彰台1号となった。

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