小平 本番会場初滑りで“金”手応え「暖かくて体動かしやすい」

[ 2018年2月6日 05:30 ]

平昌五輪スピードスケート練習 リンクの感触を確かめる小平(右)と山中
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 スピードスケート女子短距離で2冠が期待される小平奈緒(31=相沢病院)が5日、本番会場で初練習した。同じリンクで行われた昨年2月の世界距離別選手権では500メートルで37秒13をマークし、地元韓国の女王・李相花(28)を撃破して優勝。1年でさらなる成長を遂げたエースは初滑りでも好感触を得た。タイム短縮にも自信をみなぎらせ、決戦に挑む。

 初滑りを終えた小平は終始穏やかな表情だった。中央に表彰台が設置され、巨大な五輪マークも見える。熱気を帯びる場内で「昔は多分、周りの期待に対して自分の実力が伴ってなかった」と語った金メダル候補。だが、今は違う。最強の状態で本番を迎え「ありのままの自分というのをしっかりと評価できている」と言った。

 条件はそろった。極寒の屋外に比べて会場内は想像以上に暖かく、「エムウエーブを少し暖かくしたような感じ」と結城匡啓コーチは指摘する。小平自身も「凄く暖かくて体も動かしやすい。氷もしっかりしているのでコントロールが利きやすい」と頬を緩めた。欧米系の外国人から「ちょっと氷が(軟らかくて)もろい」と聞いた結城コーチは「そういう意味では体重の軽い日本人に有利」とうなずいた。

 昨年2月、プレ五輪を兼ねた世界距離別選手権。500メートルは五輪連覇の地元のヒロイン・李相花に0秒35差をつけ、制した。さらに実力も上がり、「去年と比べたら、どのリンクでも少しずつ速いタイムで来ている。今回も去年を上回るようなレースができると思う」ときっぱり。日韓の頂上決戦にはボランティアも興味深々で、小平は「李相花のライバルなんでしょ?」と韓国語で質問されたことも明かした。

 韓国入りして2日目。普段の生活より2時間半遅く食事を取り、ナイターで行われる本番に向け調整を始めた。部屋が乾燥するため加湿器も日本から持参。万全を期しており「これから生活に慣れてきたらだんだんピークが合ってくると思う」と話した。日本女子初の頂点へ。極寒に包まれたオーバルに、その雰囲気は充満している。

 ▽小平の17年世界距離別選手権VTR W杯6連勝と勢いに乗って臨むと、2月10日の500メートルでは五輪2連覇中の李相花を0秒35上回る37秒13の日本記録で、大会日本女子初の個人種目優勝。翌11日の1000メートルでは1分14秒43の好記録で銀メダル。個人種目の複数メダルも01年ソルトレークシティー大会の田畑真紀以来、日本女子史上2人目の快挙となった。

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