右肩負傷の鉄人・表純子44歳、鉄の意志で“再腱”リハビリ

[ 2018年2月6日 10:20 ]

懸命のリハビリで復帰を目指す表純子
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 【福永稔彦のアンプレアブル】女子ゴルフ界の鉄人が苦しんでいる。ツアー5勝の表純子(44=中部衛生検査センター)は右肩負傷で離脱しており、復帰を目指しリハビリに励んでいる。

 表と言えば、11年の開幕戦ダイキンオーキッド・レディースから昨年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンまで241試合連続でトーナメントに出場した鉄人。翌週の日本女子オープンの出場権を逃し記録はストップしたが、ツアー新記録を樹立した。

 ところが復帰戦となった昨年10月のスタンレー・レディースでアクシデントに見舞われた。第1ラウンドの14番でティーショットがディボット跡に止まった。第2打を打った際にクラブヘッドが芝に引っかかり右肩を痛めてしまったのだ。

 「ディボットから打ったら、その瞬間、激痛が走って。そのまま棄権しました」。病院では右肩関節周囲炎と診断された。しかし、実はもっと重傷だった。「最初の病院と2つ目の病院では“四十肩なので時間がたたないと治らない”と言われたんです。3つ目の病院で“肩が上に上がるので四十肩ではない”と言われて、よく調べたら(肩の)腱が切れていると分かりました」。11月27日に腱を再建する手術を受けた。それ以来ゴルフクラブは握っていない。

 「腱がつくまでに3カ月はかかると言われています。全治までの期間ははっきりしないんです。復帰までもうしばらくかかります」。先の見えない日々。年齢を考えれば引退という選択肢も頭をよぎるはずだ。リハビリに取り組むにあたり背中を押したのは師匠岡本綾子の言葉だった。

 「私は何歳までやったと思っているの。やめるのは簡単なのよ」。よくそう言われたことを思い出した。

 岡本の最後のツアー出場は05年6月。54歳の時だ。表は2月2日に44歳になったばかり。ここで身を引くわけにはいかない。

 岡本には「ケガをしたんだったら、ゆっくり治して、また頑張ればいいのよ」と励ましの言葉ももらった。

 腕を動かすと痛みが走る。服を着るだけでも一苦労。日常生活にも支障を来す。それでも復帰への意欲が薄れることはない。

 「しっかりリハビリをして、ゴルフが大好きだから、また試合に出たいと思っています」と表は力を込める。

 トーナメント特別保障制度(公傷制度)の適用を受け、今季は5試合に出場できるが、その5試合で賞金シードを確保しなければ出場予選会(QT)に回る。厳しい立場だが「駄目ならQTで頑張ります」とめげない。

 鉄の女は「シニアも含めてもっともっと試合に出たい」と貪欲な決意を口にした。(専門委員)

 ◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年10月8日、宮崎県生まれ。89年入社。サッカーのW杯を3回、ゴルフのマスターズを3回取材。

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2018年2月6日のニュース