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マラソンは2回目の方が難しい。新星・松田瑞生の次のレースに期待

初マラソンを優勝で飾り、Vサインで笑顔の松田瑞生
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 【藤山健二の独立独歩】大阪国際女子マラソンで22歳の松田瑞生(ダイハツ)が見事な走りで優勝した。初マラソン日本歴代3位となる2時間22分44秒のタイムも立派だが、圧巻だったのは力感あふれるその走りだ。凍てつく寒さもきつい上り坂も何のその、風を切ってぐいぐい進むパワフルな走りは、今までの日本の女子選手にはなかったものだろう。小さい頃に取り組んだ柔道やバスケットボールのおかげで自然に下半身が鍛えられ、陸上を始めてからは1日1000回もの腹筋で鋼のような肉体を作り上げた。全身バネのようなアフリカ勢に比べ、日本の女子選手は体の線が細い華奢(きゃしゃ)な選手が多かっただけに、周囲が「東京の星」出現と持ち上げるのも無理はない。

 ぜひ東京での活躍を期待したいが、その前にまずは次のマラソンをどう乗り切るかだ。初めてより2回目の方が難しいというジンクスはマラソン界ではよく知られている。何も考えず、ただがむしゃらに走る初マラソンで好結果を出す選手は珍しくないが、それが逆にプレッシャーとなり、2回目を目指す過程で技術的にも精神的にも悩み、自信をなくしてしまう選手は意外に多い。昨年3月の名古屋ウィメンズで2時間21分36秒をマークして2位に入った安藤友香(スズキ浜松AC)も、2度目のマラソンとなった世界選手権(ロンドン)では17位に終わっている。2回目のマラソンで苦しんだ選手は他にも大勢いる。

 松田にとって幸運なのは、次のレースが五輪本番や代表選考会ではないということだ。安藤が今苦しんでいるのは、2回目のレースが世界選手権というただでさえ異常なプレッシャーがかかるレースだったということと無縁ではないだろう。その点、松田は20年の東京五輪はもちろん、最終選考会となる19年秋の「グランドチャンピオン(GC)」までにもう1、2回はマラソンを走るチャンスがある。

 一夜明け会見で松田は、今後について「海外を経験した方が強みになる。コンディションを考えてレースを選びたい」と話した。林清司監督も「失敗してもいいから速いペースで押していくレースを経験させたい」と高速コースで知られるベルリンマラソンなどを視野に入れていることを示唆した。国内のレースだとどうしても周囲やマスコミの期待が先行し、余計なプレッシャーがかかってしまうことが多いが、海外なら自分のペースでしっかり調整することができる。2人の考えが一致しているのも心強い。

 東京五輪まであと2年半。松田に続いて「グランドチャンピオン」の名にふさわしいハイレベルな選手が続々と出現することを期待したい。(編集委員)

 ◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。

[ 2018年2月3日 10:30 ]

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