貴親方「落選覚悟」貴一門から“休養辞退”迫られるも強行出馬

[ 2018年2月1日 05:30 ]

十両昇進会見で貴公俊(左)を笑顔で見守る貴乃花親方
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 日本相撲協会は1日、任期満了に伴う役員候補選挙の立候補を受け付ける。理事候補には定数10人を上回る11人の親方が出馬する見込みで、2日に10年から5期連続の投票に持ち込まれることが確実となった。4期連続当選の貴乃花親方(45=元横綱)も出馬の意思を固めているが、貴乃花一門からは阿武松親方(56=元関脇・益荒雄)も立候補予定。一門の親方の多くが阿武松親方を支持するとみられる中、厳しい選挙に臨む。

 元横綱・日馬富士の傷害事件で弟子の貴ノ岩が被害者となってからは多くを語らなかった貴乃花親方が、初めて会見に姿を見せた。春場所番付編成会議で新十両が決まった貴公俊とともに両国国技館を訪れ「弟子と一緒に十両昇進の会見をできたことはうれしく思う」と明るい表情で語った。ただ、会見終了後は一転、理事候補選挙への立候補の意思を聞かれると「その話は勘弁してください」と言及を避けた。

 1日には、相撲協会の役員候補選挙の立候補受け付けが行われる。貴乃花親方も立候補を予定しているが、関係者によると、今回は当選した過去4度とは違って厳しい選挙戦を強いられるとみられる。

 貴乃花一門は8人の親方で構成され、今回は時津風一門を離脱した錣山親方(元関脇・寺尾)ら3人を含め、11人で理事候補選挙に臨む。これまで通り、貴乃花親方1人の出馬なら5期連続の当選は確実だったが、今回は阿武松親方も出馬することになった。初場所中から3度にわたって行われた会合では、一門の総意として傷害事件に端を発する騒動で理事解任となった貴乃花親方に「少し休んでみては」と出馬辞退を迫ったという。だが、貴乃花親方は不祥事が相次ぐ角界を憂い、自身が立候補することで投票に持ち込み、親方衆に信を問う道を選択した。30日に都内で開かれた会合では「選挙に出ます。皆さんは阿武松親方に入れてください」と話したという。

 傷害事件では、一門の親方に迷惑をかけられないという思いもあり、助言を求めることなく自身の信念を貫いてきた。今回の理事候補選挙でも、苦しい状況に追い込まれていながら信念は曲げない。当選ラインとみられる9票をクリアするには、他の一門の多くの親方からの手助けが必要となる。各一門とも早々に立候補者を擁立して票固めが出来上がっていると言われる中、現役時代に「孤高の横綱」と言われた男が大勝負に打って出る。

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