貴公俊、貴部屋から史上初“双子関取”弟・貴源治に追いついた

[ 2018年2月1日 05:30 ]

会見で貴公俊(左)と笑顔で握手する貴乃花親方
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 史上初の双子関取が誕生した。日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、一卵性双生児の兄・貴公俊(たかよしとし、20=貴乃花部屋)が、昨年夏場所の弟・貴源治(同)に続いて新十両昇進を果たした。炎鵬(23=宮城野部屋)は初土俵から所要6場所での新十両で、史上1位タイのスピード出世となった。

 師匠の貴乃花親方とともに会見に臨んだ貴公俊は終始、緊張していた。関取になる心境を聞かれると「うれしいのが3割。来場所から15日間になるので、今までより頑張らなければという気持ち」と喜びもそこそこに気を引き締めた。

 双子の弟・貴源治とともに13年春場所で初土俵を踏んだ。バスケットボールでは中学時代に全国3位の実績があり、運動能力の高さと貴乃花部屋の厳しい稽古で順調に番付を上げた。だが、昨年夏場所に貴源治に新十両昇進で先を越された。「うれしさと悔しさがあった」。弟が刺激になり、さらに稽古に熱が入るようになった。すり足などの基本動作を繰り返したことで足腰も強くなり、弟の昇進から5場所連続勝ち越し。初場所は東幕下7枚目で5勝2敗ながら、陥落力士が多く新十両昇進がかなった。

 師匠の貴乃花親方も現役時代は兄・若乃花とともに横綱になるなど兄弟で活躍した。兄弟関取は貴公俊・貴源治で19組目、兄弟同時関取は15組目だが、双子関取は史上初。それでも十両昇進はステップにすぎず、貴公俊には大きな野望がある。

 「師匠のような力士になりたい。自然体でどっしり構え、いろいろな力士が来ても負けない相撲を目指していきたい」。その先に見据えるのは同部屋での優勝決定戦だ。「弟だけでなく(貴景勝ら部屋の関取で)いい成績を残して当たれればいいと思っている」。師匠が在籍していた二子山部屋では、貴乃花―若乃花、貴乃花―貴ノ浪の優勝決定戦が実現している。希望に満ちた20歳は、双子の弟とともに貴乃花部屋を隆盛に導く決意だ。

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