Sトラック男子5000リレー“秘策”でメダル獲り、体格差逆手に強豪崩しだ

[ 2018年1月31日 06:30 ]

ショートトラック男子5000メートルリレーでメダルを狙う(左から)坂爪亮介、渡辺啓太、吉永一貴、横山大希
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 “ジャパンウエー”でメダル獲りだ。スピードスケート・ショートトラック日本代表は長野県南牧村で強化合宿を続けている。1992年アルベールビル大会の銅メダル以来、7大会ぶり2度目の表彰台を狙う男子5000メートルリレーの走順と作戦が判明。体重差があるデコボコ布陣とダブルアンカープランで列強に挑む。

 体重はデコボコだが、実力は粒ぞろい。これが、ショートトラック男子5000メートルリレーの最大の強みだ。ギルメット・ヘッドコーチ(HC)は「すごい選手が1人いて、残りはそうでもないチームもいる。日本は違う。タッチさえうまくいけば大きなスピードダウンということはない」と、戦力分析した。

 男子7大会ぶり表彰台は、中継がカギを握る。交代は前走者が次走者の腰を押す。個のスピードで他国に劣り、タッチでの加速が生命線だ。渡辺―坂爪―吉永―横山が基本走順。欧米に比べ体格差があることを逆手に取った布陣だ。坂爪が9キロ軽い吉永を押すところが「一番飛ぶところ」と選手は口を揃える。

 「飛ぶ」とはタッチ時の加速を指す。吉永が3キロ軽い横山を押すところも“飛ぶ中継”。飛んで飛んで、(トラックを)回って回ってとばかりにこの2中継でリードを広げ、離されていれば差を詰める。45周のうち中継は各7〜8回ある。

 各国エースが集うアンカーに、坂爪、吉永の2通り用意できるのも武器。最終走者は必ず2周滑り、勝負の分かれ目になる。氷の状態などを見て、レース当日によりよい方を選べる。渡辺は「坂爪さんなら経験から色々な対処できる。吉永は疲れている中で2周目にスピードを上げられる」と、長所を挙げた。

 予選は、現時点で韓国、米国、ロシアと同組になる。2位以内で決勝へ。ギルメットHCは「五輪は2レース。予選から速いペースになる。先頭でレースをコントロールしたい」と、どちらがアンカーでも、タッチ技術でスピードに乗って勝ち残る作戦だ。昨年10月のW杯初戦で6季ぶり表彰台の3位。メダルは決して夢物語ではない。

 16年リオデジャネイロ五輪では陸上男子400メートルリレーが銀メダル。次は、氷上で日の丸をたなびかせる。

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2018年1月31日のニュース