貴一門から理事選2人出馬 貴&阿武松親方 風雲急…投票へ

[ 2018年1月31日 05:30 ]

一門会を終え、報道陣に囲まれるも笑顔の貴乃花親方
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 大相撲の貴乃花一門は30日、都内で会合を開き、2月1日に立候補届が受け付けられる日本相撲協会の理事候補選挙に、貴乃花親方(元横綱)と阿武松親方(元関脇・益荒雄)が出馬することになった。協会関係者の話で分かった。他の一門は計9人が立候補予定で定員の10人を上回る11人となるため、2月2日に5期連続の理事候補選挙が実施されることが確実となった。

 会合には貴乃花親方、阿武松親方らに加え、時津風一門から離脱して無所属となった錣山親方(元関脇・寺尾)ら計9人が出席した。貴乃花一門では、10年から4期連続で貴乃花親方が理事を務めてきた。今回も貴乃花親方は出馬の意向を固めていたが、一門内で阿武松親方を推す声も出ていた。候補の一本化に向け、初場所中から話し合いを重ねてきた。この日の2時間半に及ぶ会合後、貴乃花親方は笑顔で現れたが、結論はまとまらず、結果的に2人が立候補する形となった。

 これで6つの一門からの立候補者は定員10人を上回る11人となり、2月2日に投票が実施されることになった。理事候補選挙は101人の親方の投票によって決まり、当選ラインは9票と見られている。貴乃花一門は、所属する8人に無所属の3人を合わせても持ち票数は11。2人が当選するには、他の一門からの票が必要となる。貴乃花親方は初出馬だった10年から、自身を推す他の一門の親方の投票を得て苦戦と見られた選挙戦を勝ち抜いてきた。どれだけ上積みできるかによって、貴乃花親方と阿武松親方の当落に大きく影響することになる。

 昨年10月の秋巡業中に起きた元横綱・日馬富士の傷害事件で、貴乃花親方は巡業部長でありながら相撲協会への報告を怠ったなどの理由で今月4日に初の理事解任処分を受け、役員待遇委員に降格となった。だが、処分が「業務停止」ではなかったため、今回の理事候補選挙への出馬は可能となっていた。

 貴乃花部屋の公式サイトは30日付で「貴乃花親方からのメッセージ」を更新。その中で、貴乃花親方は「近い将来、すべての国や民族、文化、言語の壁を超えて、人々の思い思いの気持ちが寄り添い、その架け橋として相撲がみなさまに役立つよう、これからも自分の役割を邁進(まいしん)していく所存でございます」とつづった。どんな困難が立ちはだかろうとも、信念を貫いて選挙戦に臨む。

 また、無所属ながら貴乃花一門の会合に出席した錣山親方は副理事候補選挙に立候補することになった。副理事候補選も定員3人を上回る4人が出馬する予定で投票となる。

 ◆阿武松 広生(おうのまつ・ひろお)本名手島広生。1961年(昭36)6月27日、福岡県生まれの56歳。現役時代のしこ名は益荒雄。79年春場所に初土俵。最高位は関脇で通算成績は387勝329敗86休。愛称は「白いウルフ」。2010年に発覚した野球賭博問題では部屋から多数の関与力士が出たため、委員から2階級降格処分を受けた。

 ▽前回の理事候補選挙 定員10人に11人が立候補したため、16年1月29日に選挙が行われた。伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と山響親方(元幕内・巌雄)が当落線上と予想されたが、結果は2人に加え二所ノ関親方(元大関・若嶋津)が10票を獲得。次いで貴乃花親方、八角親方、尾車親方、鏡山親方、出羽海親方、春日野親方、境川親方が9票を獲得。高島親方が6票に終わり、落選した。

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