暁斗 W杯複合連勝、飛躍も距離も圧巻 悲願の金へ上昇ムード

[ 2018年1月28日 05:30 ]

ノルディックスキー複合W杯個人第11戦 ( 2018年1月27日    オーストリア・ゼーフェルト、ヒルサイズ=HS109メートル、距離10キロ )

W杯複合個人第11戦で優勝した渡部暁斗(AP)
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 3日間、3試合の総合成績で争う「トリプル」第2戦を兼ねて行われ、前日26日の第1戦で今季2勝目を挙げた平昌冬季五輪代表の渡部暁斗(29=北野建設)が2連勝。通算12勝目を挙げた。前半飛躍で106メートルの140・5点で首位に立つと、後半距離でリードを広げ、そのまま逃げ切った。銀メダルを獲得したソチ五輪から4年。平昌五輪で悲願の金メダルへの機運が高まってきた。

 4度目の五輪に向けて日本のエース・渡部暁が着々と存在感を増してきた。W杯第10戦で今季2勝目を挙げると、続く第11戦も優勝。8年前にW杯で初の表彰台に上がったゼーフェルトで自らの成長を証明した。

 前半飛躍はヒルサイズに3メートルと迫る106メートルの最長不倒となる大ジャンプでトップ。飛躍で2位だった第10戦から飛び出しの方向をやや上向きに修正し、高い飛行曲線を描いた。着地でもテレマーク姿勢をきれいに決めた。60点満点の飛型点は57・0点で全体トップ。文句なしの出来に「内容も良かった。(修正ができれば)こういう結果にもなる」と胸を張った。

 後半距離(10キロ)は2位のリーベル(ノルウェー)に25秒差をつけてスタートすると、序盤から積極的にリードを広げて“独り旅”。2位に1分5秒5差をつける完勝に「最後はばててしまったが、ジャンプもいい感じだし、2位に1分以上差をつけられたのは良かった。もう少し走力を上げられれば」と冷静に振り返った。

 早くも今季3勝となった。過去1シーズンに3勝以上を挙げたのは4勝した11〜12年だけ。後半距離が通常の半分の5キロで行われた26日に続き、真価が問われる10キロでのレースでも勝ち切った。今週の3連戦を終えると、来週は地元白馬でW杯2連戦(2月3、4日)を戦って平昌へ。ソチで銀だったメダルの色が、輝きを増した金色になる可能性は高まっている。

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